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貿易事務
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貿易事務は輸出入業務を円滑にする通訳だ 山口 悦子 さん(仮名)
PROFILE 山口 悦子 さん(仮名)
年齢 35歳
学歴 商業高校卒業
住まい 一戸建て(祖母、両親、夫、息子と同居)
趣味 アウトドア
職歴 銀行に8年→派遣会社に5年→銀行に4ヵ月
座右の銘 常に前向き
血液型 AB型
星座 天秤座
職場の雰囲気は? 文化系 理科系 体育会系
あなたのタイプは? 文化系 理科系 体育会系 【年収】350万円
どんな仕事?
企業から依頼された信用状を作成し、貿易取引を安全かつ円滑に進める手助けをする
山口さんが勤める銀行の国際部の主な業務は、国内企業と海外企業が貿易を行う際、両者の間に入って信用状(Letter of Credit、L/Cと略す)取引を進めること。L/Cとは銀行が発行する支払い確約書で、L/C取引を採用することで貿易取引が安全かつスムーズになるというメリットがある。

「例えば、日本のA社が海外のB社から商品の輸入をする場合でご説明しますね。A社はまず取引銀行にL/C発行を依頼します。依頼書が国際部に回ってきたら、私たちの出番です。依頼内容に基づき、商品名・数量・金額・取引通貨などを記載したL/Cを作成し、『SWIFT』という銀行間のみで使用できる発送システムを使って、A社指定のL/C通知銀行へ送ります」

その後、山口さんが作成したL/Cは輸出国のL/C通知銀行を経由して、B社へ。B社はL/Cに基づいて輸出手続きをする。その手続き書類は、今度は逆のルートを辿って、山口さんの手元に戻ってくる。

「書類が届いたら、発行したL/Cと相違ないかを確認し、A社に商品代金と引き換えに渡します。A社からの入金が確認できたら、次に私たちは輸出国のL/C通知銀行に商品代金を支払います。これで取引完了。輸出はこの逆の流れになります。但し、書類に不備が多く支払いを拒絶したいと言われたときは、L/C通知先の銀行にアンペイド(支払い拒絶)の連絡をします。」

国際部は銀行の本店にあり、全国の支店から毎日L/C作成依頼が来るという。

「1日平均で20件ほど。1枚のL/Cを作成するのに半日ぐらいかかり、さらに海外から送られてきた書類チェックや書類に伴う決算処理もしなければいけません。今、国際部には7〜8人のスタッフがいて、みんなフル稼働で何とかこなしている感じですね。ただ、1度だけ1日100件以上海外から書類が送られて来たことがありまして…。そのときは部署中がてんてこ舞いでしたよ(笑)」
「職業病だなぁ」と思うとき
高級輸入ブランドが買えなくなった
高級輸入ブランドが買えなくなったイラスト
さまざまな輸入品の取引書類を扱っていて、中には高級ブランドの商品も。輸入額を知ってしまうと、店頭価格で買う気が失せますね
求められる能力は?
一般英語はあまり役に立たない。
必要なのは貿易・金融に特化した商業英語
L/Cをはじめ、取り扱う書類はすべて英語。それゆえ高い英語スキルが求められると思いきや、「一般的な英語スキルはあまり役に立たない」と意外な答えが返ってきた。

「TOEICは英語でのコミュニケーション力を測るテストですが、貿易事務の仕事は書類上のやりとりだけなので会話力やヒアリング力は必要ありません。また仕事で使用するのは、日常会話では絶対に耳にしないような商業英語ばかり。学校で習うような文法に下手にこだわって書類を作成すると、文章がダラダラと長くなり、非常に読みにくいものになります。大切なのは、最低限の言葉で必要な情報を簡潔に正しく伝えること。実際私もTOEICを受けたことありませんし、この仕事を始めたころはむしろ英語は苦手でしたから(笑)。貿易、金融専門用語を収録した辞書を片手にコツコツと独特の商業英語に慣れていくしかないですね」
英語以上に必要なのは、タイピングと文章チェックの正確さとスピードだと山口さんはいう。

「毎日膨大な量の英語書類を作成しなければいけないので、ブラインドタッチは必須。また海外の銀行から送られてきたL/Cや、船荷証券・商業送り状・保険証券・原産地証明など各種船積書類に間違いがないかどうかチェックするのも大切な仕事です。スピーディーかつ正確に書類を読み込んでいく読解力は欠かせません。とはいえ、タイピングミスやチェックミスもあります。そうしたひとつひとつのミスにクヨクヨせず、すぐに気持ちを切り替えることができる前向きな性格も必要かもしれませんね」
この仕事のやりがいは?
書類上とはいえ、世界を舞台に仕事をしていること
信用状取引は文書上だけのやりとりであり、取引先の人の顔も見えなければ、声も聞こえない。しかし文書のやりとりだけでも、それぞれの国柄があり、ワールドワイドに仕事をしていることを実感できるという。

「何に対してもアバウトな国民性や、重箱の隅をつつくようなクレームを入れてくるのが当たり前の文化など、海外とのやりとりを日本人の常識でなんとなくやっていると大失敗しますね。書類確認作業などの進行がいつも遅く、こちらから急かしてばかりの国には最後まで要注意です(笑)。L/Cを作成して海外に送るとき、支払い方法の指示といった必須内容をもれなく記入する必要はありますが、微妙な表現の仕方は作成する人間の工夫次第。ですので、先方の国柄を常に考慮して、どうすれば伝わりやすいか試行錯誤しています。先方からの訂正指示もなく一発で書類が通ったときには『やった!』と思えますね」
この仕事を 漢字一文字で表現すると…
海
「海外」って意味じゃないですよ(笑)。目の前のことにとらわれず、海のように広く、深い視線と心がないとこなせない仕事なんです
また取引先の政治状況などは仕事に直接的に関わってくる。そのため国際情勢にも自然と詳しくなっていくそうだ。

「オフィスでは常時ロイター通信が流れていて、リアルタイムで海外の状況を知ることができます。テロや紛争など大きな事件が起こると、報道が流れた瞬間に取引中止になることもあるんですよ。また、外国為替取引の動向も仕事に大きな影響があるのでチェックしています。国際社会を相手に仕事をしているという実感は、やはり大きなやりがいになりますね」
FAQ
山口 悦子 さんへの一問一答
Q1.この仕事に就いた(転職した)動機は?
A 自分で選んだわけではないんですよ。高校卒業後銀行に就職し、配属先が国際部だったというだけ。とはいえ、派遣社員を経て、また貿易事務に戻ったのは、この仕事で得られるノウハウが何かの役に立つと思ったからです。
Q2.この仕事に就いて(転職して)よかった?
A 最初は英語が苦手でしたが、抵抗感はなくなりました。まぁ商業英語は専門的過ぎて、日常会話では使えないのですが(笑)。あと仕事を通じて、海外事情や外国為替取引の仕組みなどを勉強できたこともよかったですね。
Q3.この仕事、どんな人に向いている?
A 極端に英語に苦手意識がなければ、得意じゃなくても大丈夫ですよ。黙々と書類を作成したり、内容の確認をする仕事なので、短気な人は厳しいかも…。体力のある人、精神的に強い人には向いていると思います。
Q4.これからこの仕事を目指す人へアドバイス
A 銀行の国際部のほかに、商社や船舶会社に勤務することになると思いますが、貿易手続きの流れを知っておけば有利ですね。また膨大な書類作成なども共通するので、事務処理のスキルを高めておけば必ず役に立ちます。
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