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弁護士
インタビュー くわしく見る
弁護士は交渉の物語を作るストーリーテラーだ 木谷 雅之 さん(仮名)
PROFILE 木谷 雅之 さん(仮名)
年齢 31歳
学歴 商学部卒業
住まい 賃貸マンション(妻・娘と同居)
趣味 食べ歩き、飲み歩き
職歴 1年半の司法修習→弁護士事務所に4年
座右の銘 淡々と
血液型 O型
星座 牡牛座
職場の雰囲気は? 文化系 理科系 体育会系
あなたのタイプは? 文化系 理科系 体育会系 【年収】1200万円
どんな仕事?
企業間トラブルの解決に向けて調査、書類作成、交渉にあたる
テレビドラマで刑事裁判の場面が出てきたり、情報番組などでコメントをしたりと、日頃、弁護士を目の当たりにすることは多い。しかし、実際の仕事内容について知っている人は少ないのではないだろうか。都内の弁護士事務所で働く木谷さんは、詳細をこう語る。

「都内には今、弁護士が1万人ほどいますが、刑事事件を専門に扱っているのは10人ほどではないでしょうか。それくらい、弁護士の仕事には民事事件が多いんですよ。企業間で結ばれる契約に必要な契約書を作成したり、また『取引先が倒産しそうなんだけど、入金が確認されないからどうにかしてほしい』とか『うちが販売している商品の海賊版を出している会社があるんだけど、特許権や商標を侵害しているので何とかやめさせたい』といった相談を受けることが多いです」

契約書の作成に関しては、法律の知識を活かし企業利益を損なわないことを考えて任務にあたる。企業間トラブルを解決するときには、まずは事実関係を調査し、それを内容証明に記した上で相手方に警告書という形で通告をする。そこで話がまとまらなければ裁判、という形が一般的だ。

「裁判でもその前の交渉の段階でも、クライアントが勝てる事件だと判断したら全力を尽くして勝ちにいきます。しかし、いつもスムーズにことが運ぶとは限らないので、そういった場合には『裁判で勝ち10を得る可能性はありますが、反論されるリスクが10のうち3あります。ここは裁判になる前に8で和解しませんか』といったふうに着地点を見つけ出すんです。事件を調査し、内容を書面におこし、クライアントと相手方の双方と交渉していく。それが弁護士の仕事ですね」
「職業病だなぁ」と思うとき
奉行になる
奉行になるイラスト
交渉を生業にしていると、仕切りたがりになっちゃうんですよ。この時期だと、鍋パーティーなんかをやったら間違いなく鍋奉行になります(笑)
求められる能力は?
事実関係を洗い出すための交渉能力が必要
事件の調査、書面の作成、クライアントと相手方との交渉。それらの仕事を遂行するため、弁護士に必要とされる力が大きくふたつある。まずひとつは、意外かもしれないが、タフさ。

「あるひとつの事件について調べるときに、資料として本を何冊も読まなければなりません。1冊で済むなんてことはまずないですね。クライアントの業界の知識を学ぶ本、判例が書かれた本、そして六法。読んで、知識を蓄えて、書面に書いて…と繰り返していくと、夜中の2時や3時まで作業が続くなんてことは当たり前で、そのための体力がいるんです。そうして蓄えた知識や教養は、交渉の場でも役に立つんですよ」
法律の専門知識を持ち、なおかつ業界の知識もなければ、スムーズに交渉を進められないというのだ。

「事実を知ったうえで事件解明にあたらなければならないので、クライアントから情報を聞き出すのが非常に重要なんです。で、その際に業界の知識を知っていると話を進めやすい。例えば、本来1、2、3、4、5という事実を言ってもらわなければならないのに、4の部分がクライアントにとって不利なことだとすると、1、2、3、5しか教えてもらえないときもあるんですよ。そうすると『なんで4がないの?』ということがすぐにわかる。弁護士としては事実を知るために4についても追及しなければならないんですが、ストレートに聞いても答えてくれない場合もあるので、『業界では、一般的に1、2、3、4、5ということが多いと思うのですが、御社では4はないんですか?』とか『なぜ、4みたいな事は行われていないんですか?』といった聞き方をして徐々に核心をついていく。必要な情報を聞き出す交渉能力は絶対に必要ですね」
この仕事のやりがいは?
自作のストーリーを、その通りに展開できたときに喜びがある
クライアントありきの仕事である以上、両者の関係上でやりがいを感じる場面はある。木谷さんも「依頼者から感謝されたときは、確かに嬉しい」と言う。しかしそれ以上に、個人として充実感を感じられる瞬間があるそう。

「例えば倒産事件なんかの場合ですと、従業員の方から『路頭に迷わなくてすみました、良かったです』と感謝されたときなどは、確かに嬉しいです。それは瞬間のものとして。何より達成感を感じられるのは、自分が書いた書面を裁判官が認めてくれて、そのまま後世に残る考えになったときなど。納得のいく仕事ができたことが、自分の中で誇りとして残っていくんです」
この仕事を 漢字一文字で表現すると…
支
原則的にはクライアントからの依頼があって初めて動くのであり、依頼者を守る、支えることが業務であるといえる
クライアントを満足させるのは当然のこととして、自分が満足する仕事をする。それが木谷さんの感じるやりがいなのだ。

「依頼を受けてから、どうやって交渉を進めていくか自分の中でストーリーを作るんですね。クライアントからこういう話を聞いて、相手方に対してはこういう交渉をして…といったふうにね。特に交渉の相手は対立する人なので、本当のことをなかなか言ってくれない。ですから、ストーリーの中に落とし穴をいくつか仕掛けておいて、そこにハマってもらえるように話を進めるんです。自分が作ったストーリーの通りに事を進められた瞬間は本当に嬉しいですよ。その場で乾杯したくなっちゃうくらい(笑)」
FAQ
木谷 雅之 さんへの一問一答
Q1.この仕事に就いた(転職した)動機は?
A 大学3年のときに将来のことを真剣に考え始めたんですが、辿り着いた答えが「何か専門的な資格を持っておけば野垂れ死にしないかな」ということでした。司法試験合格までには結局、4年を費やしました。
Q2.この仕事に就いて(転職して)よかった?
A 「医者と弁護士は知り合いがいた方がいい」って言うじゃないですか。その言葉通り、親類や知人から頼りにされるのは嬉しいですね。友人からワケのわからない相談を受けることも多々ありますけど(苦笑)。
Q3.この仕事、どんな人に向いている?
A 楽天的な人ですかね。というのも、困っている人から相談を受けることが多いので、同じようにストレスに感じてしまうと疲れてしまいますから。「なんとかなるよ」といったポジティブシンキング、これが必要ですね。
Q4.これからこの仕事を目指す人へアドバイス
A 法律の専門家であることはもちろん、人と人との仲介をする仕事です。ですから、知識を掘り下げて追及するだけでなく、社会に出て、いろんなことを経験してほしい。人間的な魅力にあふれた人に、仕事は回ってくるものなんですよ。
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