健康保険、国民年金、税金の手続き
[ POINT! ] 退職後、転職先がまだ決まっていない場合は、速やかに健康保険、国民年金への加入手続きを行う。年を越しても再就職先が決まらない場合は、確定申告すると税金が戻ってくる場合が多いことも覚えておこう。
*転職者の声「私はこうしました」
■健康保険への加入方法は?
 健康保険は、すべての人の加入が義務付けられている。また、その他に40歳以上の人が加入する介護保険制度がある。介護保険は、健康保険に加入すれば自動的に手続きされ、一緒に払い込みをすることになる。
 失業したとき、健康保険の選択肢は (1) 国民健康保険に加入する、(2) それまで加入していた政府管掌健康保険や組合管掌健康保険の任意継続被保険者制度を利用する、(3) 配偶者または親の被扶養者になる、の 3 つ。 ただし (3) の被扶養者になる場合、年間の収入見込みは 130万円未満でなければならないので、雇用保険の失業給付を受けるような場合には適用されないこともある。被扶養者にならない場合は、(1) と (2) のどちらかを選ぶことになる。
 医療費の一部負担金は3割と、国民健康保険も任意継続も変わらない。最も大きな違いは月々の保険料額だ。国民健康保険は各市区町村によって運営され、住んでいるところと前年度の所得、保有資産などによってその額は異なる。 任意継続の場合、それまで給与から天引きされていた額の2倍になるが、上限額は、介護保険が適用されない場合で 2万2960円 (政府管掌健康保険の場合)。国民健康保険料と比べて判断することになる。
 保険料以外での違いは、任意継続被保険者の場合、失業期間中でも病気やケガで働けなくなったときは傷病手当金が、また、出産したときは出産手当金といった所得補償のための給付が受けられる。 なお、任意継続の場合、加入期間は最長2年となっている。
 手続きは、任意継続被保険者の場合、退職の翌日から20日以内に退職した会社の健康保険組合、あるいは政府管掌の健康保険に加入していた人は、自分の住所地を管轄する社会保険事務所で行い、その際は印鑑と住民票、1カ月または2カ月分の保険料を持参する。 退職前の保険証の記号・番号が必要になるので、保険証を会社に返却する前に控えておこう。
 国民健康保険の場合、居住する市区町村の国民健康保険の担当窓口で手続きする。手続きの際は、印鑑と退職日を明らかにする書類を持っていくこと。 保険料は金額決定後、納付書が送られてくるので、それに従って納めよう。
■国民年金の加入方法は?
 在職中は厚生年金に加入し、保険料は毎月の給与から天引きされていた。 しかし退職後、失業期間がある場合は、「国民皆年金」の原則にのっとって国民年金に加入しなければならない。
 受給は先のことだが、年金は老後のためだけではなく、病気やケガで障害が残り、仕事に就けなくなったときに「障害基礎年金」によって最低限の保障が受けられたり、 配偶者や子供を残して死亡したときに「遺族基礎年金」によって遺族が生活保障を受けられる制度でもある。必ず加入手続きをしよう。長期に加入を怠ると、将来の受給額の減少や、受給資格に満たないこともあるので注意が必要だ。
 手続きは、住んでいる市区町村の役所・役場で行い、その際は年金手帳や印鑑、離職票、退職証明書など退職日を明らかにする書類を持参すればいい。 保険料は、収入の多寡にかかわらず月額1万3300円 (2003年度)。後日送付される納入通知書に従って納入する。
■住民税、所得税など税金はどうなる?
 住民税は後払いシステムなので、1月から12月までの1年間の所得に対して課された税金を、翌年の6月から翌々年の5月に支払う。 失業中も、退職後、支払いの区切りである5月までの残りの分を自分で納めなければならない。その支払い方法は退職時期によって異なる。
6月から12月に辞めた場合
 前年分の所得に課された住民税のうち、翌年の5月までに支払うべき住民税の残額は、退職時に一括納入するか、分割払いするかのいずれかを選択。 どちらを選ぶか会社に伝え、分割払いにした場合は役所から送られてくる納税通知書に従って納める。
1月から5月に辞めた場合
 5月までに支払うべき前々年分の所得に課された住民税の残額を、退職時に一括納入する。 前年分は6月1日時点で再就職していれば、新しい勤務先で天引きされる。そうでなければ役所からの納税通知書に従い4期に分けて納入する。
 所得税は住民税と逆で、手続きすれば在職中に税金を納めすぎた分が還付される場合が多い。 所得税は月々の給与から源泉徴収されるが、その税額は1月から12月まで給与を受け取る前提で大ざっぱに計算される。退職して給与をもらわない期間ができると、所得税を多く納めたことになるのだ。 退職した年に再就職した人は再就職先で年末調整が受けられるが、そうでない人は居住地を管轄する税務署で、原則として3月15日までに確定申告する。
転職者の声「私はこうしました」
健康保険の手続き。よく調べずに国民健康保険を選んで、失敗 健康保険の手続き。よく調べずに国民健康保険を選んで、失敗/転職者M・Kさん 前職はウェブマーケティング会社の営業職[35歳]の場合
政府管掌健康保険を任意継続すると退職時の保険料の2倍支払わなければいけないと聞いたので、よく調べないまま国民健康保険を選択。 ところが、送られてきた納付額は月3万円以上。任意継続被保険者制度だと上限額があり、それが2万2960円だったことを後で知って、がく然。ちゃんと調べておけばよかった。
住民税の支払い方法。退職金で住民税を一括精算収入減にも対応できた 住民税の支払い方法。退職金で住民税を一括精算収入減にも対応できた/転職者S・Kさん 前職は通信会社のマーケティング[31歳]の場合
退職したのが8月末だったので、残りの住民税の支払いを、一括で払うか、後で分納するか選択することになりました。 振り込みにすると後の手続きが面倒になると思ったので、一括払いを依頼。おかげで退職金の半分が飛んでいきましたが、転職後は残業もなく収入も減ったから、一括で払っておいてよかったですよ。
国民年金の手続き方法。25年間保険料を納めないと年金がもらえない! 国民年金の手続き方法。25年間保険料を納めないと年金がもらえない!/転職者T・Yさん 前職は旅行会社の企画職・現在フリーランス[38歳]の場合
退職してフリーになったものの、お金に余裕がなかったこともあって、国民年金に切り替える手続きをしないまま2年が経過。 ところが、20歳から60歳までの間に25年間、保険料を納めていないと年金が受け取れないと知って、今まで支払った分を無駄にはするまじと、慌てて手続きをしました。
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