はじめてリクナビＮＥＸＴから求人に応募しようとする人が、ぶつかる難関は「応募レジュメ」。アピールするポイントの強弱や書類のレイアウト等、少しの工夫で印象の良し悪しが決まるので、第一印象で損をしない書き方をしたいもの。今回は、実際にユーザーの方に応募レジュメを作成してもらい、失敗しやすいポイントや改善点を整理してみた。

リクナビＮＥＸＴ 編集長　くろさん 本名・黒田真行。1988年リクルート入社。求人情報誌「B-ing」「とらばーゆ」「フロム・エー」各関西版編集長を経て、2006年4月より「リクナビＮＥＸＴ」編集長に。約19年間、求人メディアに携わる。 R・Tさん（25歳） 前職は不動産販売業に1年間勤務。ファンド組成後の運用に携わるアセットマネジメントに魅力を感じ、不動産金融業に転職を希望。ネットによる応募レジュメの作成は今回が初めて。

カバーレターやFAXの送付状のようなものなので、空欄にせずあいさつ文を。『リクナビＮＥＸＴ』では、同企業が求人募集だけでなく説明会参加者募集をしている可能性もあるので、求人に応募したい旨を明記したいですね。 今は空欄になっていますが、学生時代にやってきたことも自己PRにできますよ。バイトや学校外の活動でも、今のキャリアや希望の職につなげられるなら、ぜひ記入するべきです。 ここも空欄のままですが、今現在、持っていない資格でも、今後取得予定で勉強をしているなら、書いておくと熱意を評価してくれる企業もあります。 改行があまりないので読みづらい印象が…。事実と実績を分ける、営業業務と主任としてのマネジメント業務の内容を分けるなど、ちょっとした工夫で伝わりやすくなるんですよ。冒頭に会社概要が書かれていますが、あくまで「職務経歴」の欄なので本来は特に必要ないです。 まだR・Tさんは退職して間もないので、必ずしも書かなくてもいいでしょう。でも、長い人などはここで、その理由を書き、人事担当の不安を払拭しておくことが大切。自分のキャリアや希望職へつなげられるような、バイト経験などが記入できるといいですね。 業種や職種への志望動機については、上手にアピールできていますね。数ある企業のなかで、なぜ「その会社」を選ぶのかも、併せて明記しておきたいところです。 まず冒頭の表現は、インパクトがあっていいですね！また、自分の経験や人からの評価など、具体的なエピソードが盛り込まれているので、その人となりが伝わってきます。 自分の将来像とからめ、「目標が○○だから、この仕事を選ぶ」という筋道が、きちんとわかる文になっているのがいいですね。もっと具体的な数字や固有名詞を盛り込むと、さらに密度の濃い内容に仕上がりますよ。

R・Tさん：職歴が1社しかないので、「職務経歴」をどのように書いたらいいか、かなり迷いました。 くろさん：現状のR・Tさんの「職務経歴」は、編年体（時系列に並べる形式）で書かれていますね。R・Tさんの場合、職歴が1社で業務種類も限られているので、この書き方には問題ないです。ただ、採用側の立場からすると、複数の応募書類に目を通すので、一目で見やすい簡潔な文章が望ましいんです。その点では、もっと改善する余地がありますね。ちなみに、やってきた業務が多岐にわたっている人の場合は、編年体よりも業務ごとに並べて、要素をまとめるほうが見やすい場合もあるんですよ。 R・Tさん：よかったです。そのほかにも、「自己PR」や「ご自身のキャリアプラン」など、何を書いたらいいのか、よくわからなかったのですが…。 くろさん：実は、「志望動機」や「自己PR」「ご自身のキャリアプラン」が、応募レジュメのキモ。これらの項目を利用して、自分の熱意や仕事への姿勢、その会社に自分がどのように貢献できるか、などをいろいろな切り口からアピールすることが大事なんです。ここでも、もちろん、改行などに配慮して、読みやすい文章レイアウトにしましょう。 R・Tさん：なるほど。個々の項目は、どうやって書き分ければいいのですか？ くろさん：「志望動機」は、いわば企業へのラブレター。今のR・Tさんの「志望動機」では、業種・職種への想いは上手に書かれていますが、その会社にどうして入りたいのかという志望理由を加えると、より良くなりますよ。例えば、ウェブサイトや新聞などで得たその会社の情報を、志望動機とからめて上手に盛り込むなどすると、自分たちのことをよく知っていると相手に感じてもらえるので、本気度が伝わりやすくなります。 R・Tさん：「自己PR」には、自分のマイナスポイントも入れてしまっているのですが、大丈夫でしょうか？ くろさん：R・Tさんのものは、自分のマイナスポイントを、逆にどう活かしているかにまで、きちんと落とし込まれているのでOKです。「客観的に自分を見ることができる」というアピールにもなりますしね。それをさらに膨らませて、将来的にどうしていきたいのか、貴社でどう自分を活かせるのかまでを書いていくと、なお良いですね。 R・Tさん：そうなると「自己PR」と「自身のキャリアプラン」の書き分けが難しそうですが…。 くろさん：そうですね。「自己PR」で自分が入社して活躍できそうなことを書いたら、「キャリアプラン」では、さらにもっと将来的な自分の展望をどう描いているのかを書くなどして、内容を差別化する必要があります。また、R・Tさんのものには出てこなかったのでいいのですが、「もっと成長したい」「一生懸命、頑張ります」など、ありがちで抽象的な表現を使うのはNG。人事担当も見飽きているうえに、具体的なイメージがつかめず、熱意が伝わりにくいですからね。 R・Tさん：そのほか、何か気をつける点はありますか？ くろさん：自分が伝えたい要素を、どの項目にどんな形で盛り込むのかを、書き始める前に整理しておくと書きやすいですよ。それから、空白部分はなるべく作らないようにしましょう。「学歴備考」「資格備考」などの欄も、アピール項目が増えたと考えて、有効利用したいですね。 R・Tさん：ありがとうございました。まだまだいろいろと改善するポイントがありますね。今のお話を参考に、書き直してみます！

あいさつ、自分の応募の旨、希望をしっかり簡潔に書けているので、丁寧な印象になりましたね。単なる問い合わせなのか、応募なのかが明記されていてわかりやすいです。 バイト経験が、現在の仕事に活かされていることがわかるようになったので、うまく自己PRにつながりますね。 自分のキャリアを補強するため、努力していることがわかって良くなりましたね！書き方もポイントがまとまっています。 【 】で経歴、実績などの項目を分けて整理し、●印で箇条書きに改行しているので、ぐっと見やすくなりましたね。【主任として実践したこと】では、マネージャー職としてのスタンスが伝わってきます。 自分のキャリアや希望職へつなげられる現在の活動状況が、書かれていて好印象。積極的に動いていることがアピールできているので、この仕事への情熱が伝わってきますね。 業種・職種への志望理由に加えて、その会社への志望動機がきちんと書かれているので、より効果的なアピールになっていますね。「将来性を感じて」などのありきたりな表現を使っていないのが良いです。 今までの経験的なエピソードから、垣間見られるR・Tさんの人柄に加えて、今後、何をやっていきたいのかという意志も読みとれて、将来性を感じてもらえる内容に仕上がりましたね。改行や段落1行空きなどで、文章の読みやすさに配慮されているのが、いいと思います。 数字や固有名詞がふんだんに盛り込まれ、さらに具体的になりましたね。こうすることがプランニングの能力をアピールすることにもつながるので、印象がかなりアップしてます！

紙の履歴書とは違って、下書きも清書もラクラク パソコンで文章を作成するため、書き直しの手間が省け、文字も読みやすい。ただし、変換ミスによる誤字・脱字も起こりやすいので、注意が必要。 応募レジュメのデータは保存可能。イチから書き直す必要なし 応募レジュメに入力したデータは、保存可能。次回の応募の際、職務経歴などの基本データをイチから書き直す手間が省ける。 24時間、都合の良い時に応募可能 メールで送れるので24時間、自分の都合の良い時に応募できるのが便利。応募し忘れもなく安心。