顧客からの信頼、営業スタイル…数字以外の実績はどう書いたら伝わる?30代営業職のための職務経歴書の5つのコツ
約10年間、営業一筋で頑張ってきたけれど、数字で表せるような華々しい業績がないと悩んでいるあなた。でも、チームで協力して課の業績を盛り上げたり、顧客から信頼されたりといった経験が、少なからずあるはず。そんな目に見えない営業スキルを、実は企業側も知りたがっているので、数字に表れない力を、職務経歴書でうまくアピールしよう。
今沢雄一郎氏 今回添削をお願いしたアドバイザー
キャリアアドバイザ− 今沢雄一郎氏
1998年、正社員専門の人材紹介会社である(株)エリートネットワーク(www.elite-network.co.jp)に入社。転職希望者とのカウンセリング、顧客企業の求人ニーズのヒアリングを、分業せず一人で担当するスタイルで、転職者に対して満足度の高い職業紹介の実現を目指している。
H・Kさん 今回の悩める相談者
今回の転職目標-編集プロダクションの営業職→広告代理店営業職
H・Kさん(31歳)
前職では、1社深堀りの営業スタイルで、その面白さとやりがいを体験していたが、仕事の幅が限られていたのが理由で転職を決意。
今の会社は、とにかく多くの会社を担当しているので、1社1社との付き合いに十分な時間がとれないことが不満。今度は少ない社数をじっくり担当する中で、さらに大きな仕事を手掛けてみたいと感じている。
職務経歴書を書いてみたけど、ここが不安!
「職務経歴」で担当顧客名や制作物を書いてみたものの、数字以外の顧客からの信頼や営業スタイルなど、自分のよさが伝わるか不安・・・。
添削前 キャリアアドバイザーからのダメだしポイント
添削前 職務経歴書
ここがダメ1 メリハリが足りない
全体の文章量やバランスは問題ありませんが、もっとメリハリをつけて、アピールしたい部分を打ち出しましょう。応募先企業から求められている経験と直接関連性の薄い部分は、思いきって省略する勇気も必要です。
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ここがダメ2 見出しがない
編年体で読みやすくまとめられ、今までやってきた流れがよくわかりました。さらに良くするためには、書かれている内容が一目でわかるような工夫がほしいですね。
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ここがダメ3 事実情報しかない
今までやってきた仕事を時系列で並べるだけではなく、その仕事に至った経緯や仕事にまつわるエピソードがほしいところ。H・Kさんの人物像や、働いている姿が想像できるようにしましょう。
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ここがダメ4 具体的な実績と転職理由が必要
職務経歴のなかで、現職(前職)の実績は採用側が最も注目する部分です。具体的な実績を盛り込んだエピソードを用意し、採用メリットをアピールしたいですね。また、採用側が納得する転職理由も必要です。
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ここがダメ5 自己PRを詳しく
H・Kさんは限られた顧客に対するルート営業なので、ある顧客でうまく行かなかったら次の顧客でリカバリーできる新規開拓型の営業とは、また違った難しさがあると思います。そのようなルート営業経験が長く、ひとつの顧客と深く付き合えて来ているので、「その背景には、どんな工夫・提案があったのか」を詳しく書いて欲しいです。
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LECTURE数字では表しにくいスキルをどうアピールするの?
対談H・Kさん:今まで3社の職歴があるのですが、どの部分をアピールすればいいのか迷いました。
今沢氏:確かにH・Kさんの場合、「何をしてきたのか」という、経歴の事実情報部分は明確なのですが、「営業としてどんな動き方をする人なのか、どんなキャラクターの人間なのか」は読みとりにくい。単に売り上げやクライアント名を羅列するだけではなく、どんな提案をして、どんな結果を出したのかを物語風にして語ってください。
H・Kさん:どんな具合に書けばいいのですか?
今沢氏:文章は多少長くなっても構いません。ただし、見出しをつけて、何について書かれているのか、一目見てわかるように伝えましょう。H・Kさんの仕事に対する情熱が行間に滲み出ると最高です。
H・Kさん:なるほど。採用側は、実績はもちろん、数字以外の部分でも営業スキルを測っているのですね?
今沢氏対談:その通りです。営業スタイルや仕事への取り組み姿勢を見て、「入社後にどのポジション(お客様)を任せられるか」をイメージするのです。
H・Kさん:採用側に伝わる文章を書くコツはありますか?
今沢氏:文章にメリハリをつけると良いですね。一番伝えたい部分は文章量を多くし、逆にほかの部分は要点だけを簡潔にまとめましょう。また、エピソードの中には、応募先が納得できる転職理由も盛り込んでください。特にH・Kさんの場合は、同じ業界への転職を考えているので、次の職場で武器になる経験やスキルがあります。エピソードは“仕事ぶり”を強調しましょう。
H・Kさん:自己PRの部分はどうしましょうか?
今沢氏:ここも同じく、ストーリー仕立てが採用側に響くと思います。しかし、職務経歴と自己PRは、同じ内容の繰り返しにならないように書き分ける文章力が必要。「今までどんな仕事をしてきたか」は職務経歴で伝えるので、ここには「自分は何ができるのか」という強みをアピールしましょう。
H・Kさん:自分がどんな風に仕事をしてきたのか、表現することが大切なんですね!
今沢氏:そうです。自分では大したことがないと思っている経験や実績でも、「なぜあの結果に結びついたのだろう」と、因果関係も見直してみると、また違った要素が見えてきますから。
添削後 ちょっとの工夫でだんぜん伝わるようになる!
添削後 職務経歴書
添削後 職務経歴書
コツ1 伝えたいことに優先順位をつけることでメリハリがでる
効果的なアピールをするためには、文章量にメリハリをつけることが大切です。伝えたいことの優先度が低い場合には、思い切って省略することも効果的。H・Kさんの場合、営業経験がない1社目のY社の職務内容が簡略化されています。ただし、ここで学んだ“印刷”のノウハウが、現在の編集プロダクションにおける広告や誌面づくりに活かされていますので、この部分を残しておいたことは正解です。また、印刷業務を通じて顧客とやりとりしたことが、「営業職をもっと深くやってみたい」という動機づけになっている点もアピールできましたね。
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コツ2 見出しをつけることで内容が引き立つ!
エピソードを上手にまとめても、応募先企業の人事が必ずしも職務経歴書すべてに目を通してくれるとは限りません。そこで、気をつけたいのが見出し。何について書いてあるかが一目でわかるような見出しがつけられているので、とても読みやすくなりました。特に長文で綴る際には内容を要約した見出しが効果的。改行をしたり、段落を設けて1行スペースを空けるなどで、文章の読みやすさに配慮を加えられているので、人事も必ず目を通してくれるはずです。
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コツ3 エピソードを膨らますことで、自分の強みをアピールできる!
前々職での初めての“営業”が現在のH・Kさんの原体験になっています。物語風に表現することで企業側に興味を惹いてもらいましょう。具体的な数字や顧客とどんな付き合い方をしたのかが明記されているので、N社との半年間が良い経験になり、“これからも営業職としてやっていける!”という自信につながったことがアピールできています。また、このときの経験がもとで、「ひとつの顧客と深く付き合いたい」という、希望が生まれ、現在の転職動機につながっていることが最初から最後まで表現できていますね。
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コツ4 具体的なエピソードを出すことで実績が見やすくなる!
職歴を書く上で必要なことは2つ。1つは、「どんな仕事ができるのか」で、現職の仕事内容や実績をはっきりと述べること。採用側はその部分をもとに、あなたの採用後の姿をイメージします。H・Kさんの場合、担当している顧客がたくさんあったので、代表的なものをピックアップし、具体的なエピソードとしてまとめました。これまでのキャリアも具体的に語っているので、お人柄がイメージできる内容になりました。2つめは転職理由を明確にすること。「なぜ転職しようと思ったのか」という動機がエピソードに盛り込まれているので、採用側も納得しやすいでしょう。
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コツ5 ストーリー仕立てにしたので、人柄が伝わる自己PRになる!
職務内容をもとに一連の流れを要約。H・Kさんの人物像や、働いている姿が想像できる内容に仕上がりました。具体的なエピソードを盛り込み、ストーリー仕立てになっている点が効果的ですね。また、「リーダーシップ」「コミュニケーション力」など、抽象的な言葉を使っていないH・Kさんの書き方は理想的。自分の強みが仕事に活きたことを、数字やリアルな言葉で表現できているので、読み手に響く文章になりました。
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これで解決!30代営業職のためのお悩み別アピールテクニック
転職を考えていても、「トップセールスのような華やかな経歴がないから…」と、大半の営業職の人は思い、職務経歴書に何を書けばいいのか迷うもの。しかし、華々しい実績だけが職務経歴書におけるアピールポイントと考えるのは間違い。では、どうやってまとめていけばいいのかを、シーン別にまとめてみた。
チームセリングなので実績が書きにくいのですが?
“縁の下の力持ち”もOK。チームにおける役割を明記
自分がいくら売ったかという数字は出しにくいですが、チームとしての業績は書くことができます。その業績を出すためには必ずプロセスがあるので、そこで自分はどんな頑張りをしたかを具体的に書きましょう。例えば、チームリーダーだった場合は、チームをどう統率し、どんな営業戦略を練ったかをアピール。たとえ売り上げに直接関与していないとしても、「こんな提案書を作成しました」「問い合わせに対し、こんな気の利いたひと言を言いました」など、チームにおける“縁の下の力持ち”的な働きをアピールしましょう。
マネジメントの経歴がないのですが?
人の面倒を見ることを“マネジメント”と考えよう
営業マネージャーというポジションではなくても、後輩はもちろん、派遣社員やアルバイトなど、「人を束ねた経験」は“マネジメント”という経験につながります。例えば、新入社員にマナーを教えたり、後輩に自分なりの営業トークを伝授することなど。また、個人で華々しい営業成績を挙げていたとしても、「名プレイヤー、必ずしも名監督にあらず」という格言がある通り、その時点でマネジメント力が必ずある!とは言い切れないので、周囲のパフォーマンスを上げるために、どんな行動をしてきたのかをアピールしましょう。
ルートセールスしか経験がないのですが?
自分が携わっているから取引が継続できていることを自覚しよう
「●年間継続できました」と書くのではなく、今までやってきた仕事を振り返り、継続できている理由を見つけてください。そして自分が果たしてきた役割としてアピールするのです。例えば、明日から違う人に代わったら、取引は成立するのかを考えてみてください。自分ならではの信頼関係の築き方があったはずです。「ルートセールスだから誰でもできる」という先入観を捨て、自分だから継続できているんだ、と自信を持ちましょう。また、特定の業界に詳しくなっているので、業界スキルを武器に売り込むのも有効です。
新規開拓しか経験がないのですが?
アプローチだけでなく、受注に至った経緯をはっきりと
アポイントを取るまでは“飛び込み営業”かもしれませんが、顧客接点ができたその先は、ルートセールスや戦略的な営業と差はありません。ですから、「●件開拓しました」と書くのではなく、どんなアプローチで顧客接点を持ち、その後にどんな提案・工夫をしたのかを具体的に明記しましょう。会社のブランド力や商品力だけで売れるのであれば通販で商売が成り立ち、営業職は必要なくなるわけですが、実際はそんなことはありません。自分から売り込みに行った結果として、はじめて受注がいただけたのですから、その経緯を分析し、工夫した点をアピールしましょう。
別の職種にチャレンジしたいのですが?
前職と希望職との接点をクローズアップしよう
30歳を過ぎてから、まったく畑違いの職種にチェレンジするのは正直難しいです。しかし、「営業から営業企画へ」など、隣のフィールドへの転職は可能です。その場合、前職と新しい職の接点をクローズアップしましょう。例えば、企画やマーケティングをやったことがないケースでも、前職で「どこに営業を仕掛けようと考えたのか」「どんなアプローチをしたのか」は、十分に企画・戦略として評価されます。
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