希望条件、どう整理した?
 01  給与・待遇を捨てて成功したケース
 02  経験・キャリアを希望条件からはずしたケース
 03  大手を希望条件からはずしたケース
給与・待遇を捨てて成功したケース
転職先には多くの条件を求めてしまうのが人情というもの。でも、すべての条件を満たす会社など、そうそうないというのが現実だ。そんなときは、希望条件を整理してみてはどうだろう。第一回は「給与・待遇」を捨てて成功した先輩たちに経験談を聞いてみた。
給与は入社後実力をつけて上げればいい。そう考えて成長できる会社を選びました。
PROFILE●携帯電話で使われる課金システムに障害が起こったときの修復や追加システムのプログラミングなど、運用全般を5年間行うが、2001年に退社。諸々の事情から、1年半のブランクを経て転職活動を開始し、現在2社に内定中。
当初の希望条件
年収400万円自宅通勤仕事内容
年間休日120日以上正社員
面接で5社に落ちたとき
年収400万円自宅通勤仕事内容
年間休日120日以上正社員
転職開始当初の希望条件
 前職でプログラミングもしていたのですが、使用する言語もシステムも特殊なもので汎用性が低かったんです。「このまま続けていてもつぶしがきかなくなる。将来のことを考えると、汎用性のあるjavaやLinuxなどを使ったコンピュータ・ネットワーク技術をマスターしたい」そう考えたのが、転職を決意したきっかけ。当初は、転職するなら収入UP、最低でも収入は現状の400万円をキープしたい、と考えていました。また、前職では休日出勤が多く、スキルアップに時間を充てられなかったので、休日にもこだわりました。あとは、生活費を抑えたかったので、都心から離れていましたが、自宅通勤が希望でしたね。
”捨てる”ことを決断したとき
 事情があって、退職から1年半のブランクを空けて転職活動を開始。5〜6社面接を受けたのですが、コンピュータ業界で働く人間にとってこのブランクがいかに大きいかを思い知らされました。どの会社でも、「この業界から1年以上離れていてはねぇ……」と言われてしまったんです。とてもこちらの希望どころではありませんでした。さらに、知人から「ネットワークエンジニア自体の給与が下がっている」と聞きました。これが決め手となって、このままの条件では就職先を見つけるのは難しい、と実感。希望条件を考え直してみることに。
 そもそも自分が転職を思い立った理由を振り返ってみると、「汎用性の高いスキルを身につけられる仕事に就きたい」ということでした。また、ブランクがある上、給与水準が下がっており、収入が期待できないことから、「入社後に実力をつければ給与は上がっていくはず。スキルアップできる仕事内容を最優先にしよう」と思い直しました。
 また、遠方から通勤する場合、交通費の負担額が大きいためか、会社側が難色を示すことがありました。やはり将来のことと天秤にかけ、少しでも内定の可能性を高めるために思い切って都内へ引っ越すことに。
捨てることで手に入れたもの
 その後転職活動を再開し、1カ月半程度で2社から内定をいただきました。仕事内容はいずれも希望通り。さらに、社内講習会など教育体制がしっかりしていて、スキルアップにはもってこいです。給与額は当初の希望に達していませんが、成長できる会社に出会えたと満足しています。
その他の事例
受付事務から営業に転職
月給20万円週休2日賞与あり仕事内容
当初の条件、捨てた条件
 最初は給与額にこだわっていましたね。でも、何社か面接をうけるうちに、専門的な知識・経験もない自分には「手取りで月給20万以上」の条件はムリだな、とわかったんです。それなら、前職でもやりがいになっていた「人と接すること」ができる仕事かどうかを優先して、月給は前職の17万円を維持できればいいかな、と。考えを変えてから1カ月弱で転職先が決まりました。


 
“捨てる”ことで手に入れたもの
 資格学校の営業として、主に生徒を集めるのが仕事です。営業先で厳しいことを言われることもありますが、いろいろな人と出会えたり、自分とは違った視点を知ったり、新しい発見のほうが大きく、楽しく働いています。昔よりも少しは成長できたかな、なんて思えるようにもなりました。
 
プログラマーからSEに転職
休日勤務地仕事内容
当初の条件、捨てた条件
 地元に帰って働きたいというのが転職の理由でした。しかし、募集はないし、北海道に本社のある企業へ直接問い合わせても、現地勤務の社員は募集していないところばかり。景気の影響なのか、やっぱりSEの仕事は東京に集中しているようでしたね。だから、今すぐ北海道で働けなくても、数年のうちに北海道勤務になれればいいと、妥協。北海道に本社や支社がある会社を受けて、面接のときに、その希望を面接官に伝えました。今の会社は、3年くらいで北海道勤務にしてくれるという条件で入社を決めました。
“捨てる”ことで手に入れたもの
 今は東京営業所で6人ほどのチームリーダーを任され、プログラムだけでなく、お客様との折衝や管理など、責任ある立場でプロジェクトを動かしています。前の会社ではSE志望のプログラマーでしかなかったので、今は自分が成長していると実感。最近は、仕事がおもしろくて、北海道へ帰るのは5年後くらいでもいいか、と思っています。
プログラマーからプログラマーに転職
年収450万円仕事内容技術力
当初の条件、捨てた条件
 前の会社では私よりもプログラムの知識がある社員がおらず、頼られるばかりで、自分が困ったときに教えてくれる人がいませんでした。ここではスキルアップできないというあせりから転職を決意。転職にあたって希望条件を設定したのですが、求人を見ると、自分の職歴やスキルでは「年収450万円以上」は難しいことがわかりました。そんなとき、前々から働いてみたいと思っていた会社の募集を見つけたんです。給与は希望額を下回っていたのですが、働きたいと思える会社に勤めたほうが、仕事に取り組む姿勢の面でプラスになると思い、給与は捨てることにしました。
“捨てる”ことで手に入れたもの
 思っていたとおり、今の会社は他の社員の知識レベルが高く、よりスキルアップしやすい環境になりました。また、プロジェクト全体の中で自分の仕事がどういう役割を果たしているのかわかるようにもなり、やりがいがありますね。前の会社では、上司に言われるままに、日々の作業をこなしていたところがあったので、仕事をおもしろく感じる機会が少なかったんです。
パン職人からカスタマーサポートに転職
仕事内容平日休める時給1300円
当初の条件、捨てた条件
 求人を探してみると、「人と接する仕事」と「時給換算で1300円以上」という条件を同時に満たす会社が見つからず、欲張っていたら転職できないとあせってきました。パン屋で働いていたときは製造スタッフだったので、お客さんと顔を合わせることがありませんでした。それが不満で、エンドユーザーの感謝や喜びを感じられるポジションで働きたい、と考えたのが転職のそもそもの動機だったので、「人と接する仕事」を最優先に。「時給1300円以上」には目をつぶることにしました。それなら、働きたいと思う求人は結構ありましたからね。
 
“捨てる”ことで手に入れたもの
 今の仕事は電話によるサポート業務なので、ユーザーの顔が見えないことが最初は不安でした。でも、いざはじめてみると、声を通してコミュニケーションをとれるし、「ありがとう」と感謝されることもある。顔を合わせての応対と質は違いますが、エンドユーザーと接するポジションで働けて、充実しています。
 
編集後記
 取材した結果、やはり、すべての希望条件を満たす会社は非常に少ないようだ。しかし、「働く上で自分にとってもっとも重要なものが何か?」を見極め、それを軸に会社を選ぶことで希望の会社を見つけることができる。今回取材した転職成功者の最重要項目として最も多かったのが「仕事内容」。「スキルアップできる仕事」や「やりがいの感じられる仕事」を「給与」と天秤にかけ、「給与」を捨てる決断をしている。成功転職のためには、希望条件に優先順位をつけ、ときには最重要項目以外を捨てて会社を選ぶことも必要だ。


 01  給与・待遇を捨てて成功したケース
 02  経験・キャリアを希望条件からはずしたケース
 03  大手を希望条件からはずしたケース




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