安定性を測る26のチェックポイント：製造業の企業／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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23：	取引先はトップクラスの企業か

24：	海外事業所がある場合、責任者はその国の出身者か

25：	製品や技術の開発に積極的か

26：	工場は整理整頓されているか。稼働率は高いか

ここで扱うのは、空洞化が叫ばれる製造業。国内のモノづくり再生に挑む企業もあれば、海外進出の波に乗る企業もある。いずれの場合にも確認するべきポイントを伝授します。

　主要取引先を確認することで、財務の健全性、技術力、マーケティング力を推し量ることができる。
　「まず、納入先が業界トップクラスの企業かどうかということ。トップ企業なら、外注契約を結ぶときには、信用調査を行うはず。取引があれば、財務の健全性が担保されていると考えられるわけです。取引先の高い要求に応える技術力があることも推察できます。もう一つの観点は、複数の業種と取引しているかということ。例えばある部品メーカーがあったとして、そこの部品が自動車の電装品にもパソコンにも使われていることなどを確認できれば、自社技術をさまざまな分野に売り込むマーケティング力があると考えられるのです」（井田氏）

　一方で、面接の際には、なぜその会社の技術が取引先に支持されるのかを確認したいとアドバイスするのは、小野氏だ。
　「顧客のニーズを発掘し、全く新しいコンセプトを開発したり、既存製品のデザインや品質を高める力があるかを見極めることが、重要です」
　面接ではこれらについて質問するだけでなく、工場も見学しておきたい。工場内は整頓されているか、スタッフの年齢層が幅広く若手が育っていることがうかがえるか、設備の稼働率は高いかといったことも、安定性を測る重要な情報だ。

　健全な財務体質と高い技術力がなければ、トップクラスの企業への納入はかなわない。応募先の主要取引先を見ることは、欠かせない事前準備だ。
　「海外に現地工場を展開している企業の場合は、日本向けだけでなく、現地や他国のトップクラスの企業と取引を開拓できているかも確認したいポイント。ただし、主要取引先が完成品メーカーでない場合には、取引先の取引先くらいまで確認することが必要です」（井田氏）

　現地雇用の社員をうまくマネジメントできるか、工場進出をきっかけにその国での取引も拡大できるかが、海外進出企業の安定性の見極めポイントになる。
　「現地の責任者がその国の出身なら、現地のオペレーションはうまくいく可能性が高い。海外事業所のサイトを事前に見ておくといいでしょう」（井田氏）

　創業期はトップ自らが営業し実績の基礎をつくる時期。経営者の営業力は、職務経歴から推し量ることができる。
　「『以前は何をしていらしたのですか』と、質問してみるといい。いちばんいいのは、同業界の経験があること。市場を熟知しているだけでなく、販路となる人脈を持っていることが考えられます。また、高い営業成績を挙げた経験があれば、今後の安定成長もある程度予測できます」（山縣氏）

◆市場の景況や課題を探る調査データの一例

インターネットで検索すれば、さまざまなデータが入手できる。市場についての予備知識があれば、応募先の技術戦略を理解できるだろう。

　「工場内が整頓されていれば、生産性が高いことが予測できます。また、若い人が多ければ、業務の標準化がなされているといえる。ラインの稼働率が高ければ、それだけ受注がある証し。ただし設備はすべて最新鋭である必要はないと思います。古い機械も稼働させているのは、無駄な設備投資をしていないという見方もできます。また、本社など工場以外の設備に、お金をかけすぎていないかという、コスト意識も見極めるようにしてください」（井田氏）

・企業リサーチのプロ	山縣聡氏	・株式運用のプロ	藤野英人氏
・成長企業発掘のプロ	小野将希氏	・経営コンサルティングのプロ	井田修氏