安定性を測る26のチェックポイント：市場飽和産業の企業／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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19：	サービスの開発は迅速か、独自性があるか

20：	経営者がコロコロ変わっていないか

21：	営業利益率は業界平均以上か

22：	経営者や管理部門が、現場をよく知っているか

新規参入が続出する飲食や小売業界、インターネットサービス事業などは、人材募集も多いが、将来の安定性が気になるところ。チェックポイントはどこにあるのか

　　参入障壁が低い業界は、生き残りの競争も激しい。そこで重要になるのが、新しいサービスや商品を次々と開発しているかという点だ。
　「この１年で新たに手掛けたサービスや商品に何があるか、業界紙を検索するといいでしょう」（井田氏）
　記事に取り上げられたことが複数回あれば、サービス開発に積極的なだけでなく、市場から注目されていることもうかがえる。
　サービスや商品に独自性があることも重要なポイントだが、独自性とは突拍子もないアイデアをいうのではなく、顧客の気持ちをどこまで理解しているかだと、山縣氏はいう。
　「例えば、アメリカの小売企業のウォルマート。ディスカウントストアと報じられがちですが、レジに買い物客を３人以上は並ばせないなど、サービスが徹底している。安ければいいという発想とは一線を画した独自性があるから、伸びているのです」

　浮き沈みが激しい業界では、新しいサービスや商品を手掛けても、すべてが当たることはまれ。中には失敗もある。
　「だからといって、一つ一つの取り組みが当たったかどうかを細かく気にするよりは、当たりも外れもある中で、全体として会社の収益が安定的に伸びているかを見ることが重要です」（井田氏）

　供給過剰の業界を生き抜くには、常に新しいサービスを展開することが欠かせない。顧客のニーズに対応するだけでなく、開発のスピードも重要なポイントだ。
　「会社のサイトのニュースリリースや更新記録に注目してください。年間にどれだけ新しい業態や商品が開発されたかで、スピードを推し量ることができます」（山縣氏）
　「ただし、すべてのサービスがヒットしたかを気にする必要はありません。全体的な売り上げや利益が安定的に伸びているかを、確認するようにしてください」（井田氏）

　自由競争が激しい業界では、一般的にいって業界経験の長い経営者がいる企業の方が有利だ。
　「新しいサービスには当たりも外れもある中で、ある一定の年数を経営者として会社を引っぱっているという事実から、業界でやっていける実力があることがうかがえます。仮に応募先がベンチャーで社歴が短い場合には、経営者に同業や近い業界での経験があるかを調べてください。事前調査で分からなければ、面接で確認することをお勧めします」（井田氏）

　次々と新しいサービスを展開するには、企業の体力が必要。
　「体力とは、財務諸表でいえば営業利益。業界平均以上の営業利益率であることが、ポイントになります。できれば３期前までさかのぼって、営業利益の額と率が共に安定していることも確認してください」（井田氏）
　上場企業なら事前調査も可能だが、非上場の場合なら、面接で営業利益の推移を質問するといいだろう。

◆上場している外資企業の、営業利益率の例
	４社とも積極的な業態開発や出店を重ねているが、営業利益率には大きなバラツキがある。この指標がすべてではないが、安定性を測る要素の一つとして、参考にしたい。

　「市場や競合の動きの変化に合わせて、迅速な経営判断を下すには、経営陣や管理部門が現場の情報を肌で感じていることが必要。例えば小売業や外食企業なら、店長会議はどう行われているかを質問してください。議論でなく、単なる報告や通達の場になっているようでは、今後の安定性は疑わしい。管理部門のスタッフが店舗を頻繁に視察しているかどうかも、確認するといいでしょう」（井田氏）

・企業リサーチのプロ	山縣聡氏	・株式運用のプロ	藤野英人氏
・成長企業発掘のプロ	小野将希氏	・経営コンサルティングのプロ	井田修氏