安定性を測る26のチェックポイント：急成長企業／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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６：	組織はうまく運営されているか

７：	会社のウェブサイトは充実しているか

８：	営業利益はちゃんと伸びているか

９：	経営者を支える人材がそろっているか

10：	経営者が市場を熟知しているか

営業所新規開設のための人材募集、新店舗オープン予定につきスタッフ急募……、威勢のいい話は魅力的だが、安定性はどうなのか、冷静に判断しよう。

　　拡大期の企業でも、経営理念や戦略が重要なことに変わりはないが、特に確認したいのが、組織の運営状況。エヌ・アイ・エフベンチャーズの小野将希氏は、次のように語る。
　「拡大戦略を取っている企業に大切なのは、権限委譲がなされていることです。どのように役割・権限を社員に与え、どのように動機付け、管理しているかを見極めてください。面接では、評価の仕組みを確認するといいでしょう」
　また前出の藤野氏は、事前に口コミ情報を集めることも重要という。
　「競合会社や下請け、納入業者の社員などツテをたどって探す、インターネットで社名を検索するなどして、情報収集してください。『担当者がよく変わる』『仕事が雑になった』などの評判があれば、要注意です」

　一方で、売り上げの伸びが顕著な場合は、財務の健全性を確認しておきたいと、藤野氏はいう。
　「実態はよくないのに、過剰な投資をして売り上げを伸ばしているケースもあります。会社の実態を表す営業利益を、面接で確認するようにしてください。この場合、過去３期分くらいを見ることが大切。順調に伸びているに越したことはありませんが、仮に先行投資のために利益が減っている期があったとしても、翌期か翌々期に伸びていれば、安定的に成長しているといえます」

　経営幹部が現場の意見を取り入れているか、社員の定着率は高いか、現場の仕事はうまく割り振られているかといった観点から情報を集めたい。
　「面接で『社員に会わせてください』と申し出るなど、現場の声を収集する工夫もしたいですね」（小野氏）

　「サイトからは企業の情報感度と資金力を推察することができます。事業の拡大期には、顧客や金融機関、取引業者などさまざまな関係者から情報を仕入れ、発信することが必要です。同業他社に比べて見劣りするようなら、情報感度が鈍いか、資金がないことが考えられます」（藤野氏）

　「事業拡大期に重要なのは、設備投資の資金の出所。借り入れが多いと、安定性には疑問が出ます。『お店の拡大資金は、内部留保か借り入れか、どちらで賄っているのですか』などと質問してみましょう。質問されて嫌な顔をするようなら、健全性に疑いを持った方がいい」（藤野氏）
　「上場企業なら、ＲＯＡ（総資産利益率）が業界平均以上かを確認すると判断材料になります。企業の財務情報を提供するウェブサイトを利用するといいでしょう」（小野氏）

◆あるインターネット関連企業のＲＯＡ（総資産利益率）

ＲＯＡは、経営資源をどの程度効率的に利益に結び付けているかを示す指標。業界平均7.36％に対して18.61％というこの企業のＲＯＡは評価できる。上場企業なら、ニフティ（http://www.nifty.com）の「株価」から検索可能だ。

　経営者個人の手腕だけでなく、組織としての力も問われる。
　「ＣＥＯ（最高経営責任者）やＣＦＯ（最高財務責任者）など経営陣の役割分担ができているか、各人が高い専門性を持っているかは、重要です。面接で役員に会う機会があれば、業務経験と経営戦略に対する今後の取り組み方も確認するといいでしょう」（小野氏）

　競合他社との競争に勝つことが拡大を維持するポイント。経営者が市場を熟知していることは、欠かせない。
　「例えば、『なぜ業績が伸びているのですか』と聞いたときに、顧客の特性について言及できるかがポイント。『○○な顧客を対象に、○○なサービスを提供しているから』といった答えが返ってくれば、評価できます」（小野氏）

・企業リサーチのプロ	山縣聡氏	・株式運用のプロ	藤野英人氏
・成長企業発掘のプロ	小野将希氏	・経営コンサルティングのプロ	井田修氏