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簡単にできる「経営戦略の見極め方」講座

「企業の戦略を見極める」というと、とても難しいことのように感じる人が多いだろう。実際、簡単なことではない。しかし、専門知識がなくても、ポイントを押さえておけば、企業が本当に力を入れている戦略が何なのかを見極めることは、十分に可能なのだ。事業戦略コンサルタントのアドバイスをもとに、その方法を紹介していく。

2012年9月5日

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百年コンサルティング株式会社 代表取締役 鈴木貴博氏

百年コンサルティング株式会社
代表取締役 鈴木貴博氏

東京大学工学部物理工学科卒業後、ボストンコンサルティンググループに入社。分析力と洞察力を武器に企業間の複雑な競争原理を研究し、伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループの起業に参画後、2003年に百年コンサルティングを創業。以来、大企業を中心にアドバイザーとして活躍。著書に『会社のデスノート』『ワンピース世代の反乱、ガンダム世代の憂鬱』(ともに朝日新聞出版)、『アマゾンのロングテールは、二度笑う』(講談社)ほか多数。

経営戦略を見極めるための大前提とは?

経営戦略とは「どこに、どうお金を使うか」である

経営戦略を探るための大前提として、鈴木氏は以下を頭に入れておくべきだと語る。
「経営戦略とは、資源配分のことです。つまり、経営戦略を知るということは、どこに、どれだけお金を使うかを読み取ることなんです。企業は力を入れたい戦略にはお金をかけます。逆にお金をかけないということは、戦略上の優先順位が低いということです」(鈴木氏)
そのうえで、多くの人が勘違いしがちなのが、プレスリリースやニュースで報道されることを戦略だと勘違いしてしまうことだと鈴木氏。
「プレスリリースは企業発信の情報ですから信頼性も高く、しかも目につきやすい。しかし、『とりあえず発表しておきました』的な情報も多いんです。また、目にする情報量が多いからといって、それをそのまま企業が力を入れている戦略だと考えてしまうのも間違いです。本当に大事なのは、どこに、どんな理由でお金をかけようとしているのかを裏読みすること。本音を見極めることです」(鈴木氏)

鈴木氏のアドバイスをもとに、企業の経営戦略を知るためにはどんな観点で情報を見ればいいのかを一覧にまとめた。具体的には、「企業の創業からの年数」と「調べるための情報源」についてマトリクスを作成した。これらの一項目ずつを見るだけでは、戦略は断片しかわからない。しかし、全項目を複合的に見て照合し、取り組み内容に一貫性があるかどうかを確かめることで、企業の戦略は見えてくる。同時に、どこにブレがあるのかを判断することもできるはずだ。

企業の情報から、経営戦略をどう読み取る?

以下、ポイントを整理しておこう。

●創業1年〜10年未満の企業
経営者=創業者の場合がほとんどのため、経営者自身の考えの中に経営戦略のすべてがあるといっても過言ではない。まだ企業としても若いため、方針やコアコンピタンスが社内に浸透しておらず、同じことを何度も言っていかないと事業の方向性がブレてしまいやすい。IR資料や決算書などは、専門知識がなくてもとりあえずすべてに目を通すこと。そうすれば、何が多く語られているかだけでもわかるだろう。内容を問わず、事業を広げすぎて核心が見えなくなったり、経営者以外の発言力が増し始めたら、ブレ始めたサインといえるかもしれない。

●創業10年〜30年未満の企業
成長段階に入っている企業が多く、何事も「継続して」行っていることが重要となる。企業規模が大きくなり始めている場合は特に、経営者自身が「正しいことを積極的に言っていかないと、組織としてまとまらなくなる」と危惧している場合が多い。「年率2ケタ成長」など、成長スピードが早い企業の場合はなおさらだ。だからこそ逆にIR資料やプレスリリースなどで繰り返し目にとまる情報が、戦略の注力点だと思っていい場合が多い。

●創業30年以上の企業
社会的責任をより強く持つようになる一方で、停滞しがちな企業も多くなる。ある程度の商品やサービスなど、実績を持つ企業の場合は特に、「異分野をいかに取り込んでいくか」に目を向けられているかがカギになる。どの分野にどれだけ本気で参入しようとしているか、お金のかけどころを参考にきちんと見極めたい。

ポイントを押さえて、積極的に情報収集しよう

経営戦略の良し悪しを見極めるのはとても難しい。しかし、多くの企業は創業時に掲げた信念を元に、戦略を立てて企業拡大していくものだ。現状の企業の取組みや発信情報から、ブレていない核心を探し出すことで、その企業の戦略について判断することができるはず。鈴木氏が最初に語ったように、「企業の経営戦略は、どこにお金を使っているかでわかる」という観点を知っておくだけでも、企業を見る際に大きく役立つのではないだろうか。

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志村 江

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