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仕事に役立つ577の資格を、活用事例を交えてガイドする『稼げる資格』(年2回刊行)の編集長。GCDF-Japan キャリア・カウンセラーの資格も持つ。 |
新しい法律やルールができたり、社会情勢が変わったりと、世の中が動けば新たな知識やノウハウが必要に。それに対応するため、常に新しい資格や検定が登場している。どんな資格・検定制度が始まったのか、何を目的にどんな知識を学ぶのかを知るだけでも、時代の流れをつかめる。
採用選考では、資格より「実務経験」重視。しかも、新しい資格は実績が乏しく、認知度が低いことも多い。資格を持っていても、採用の決め手にはならないのが実情だ。しかし、まだ一般に広く知られていない資格だけに、応募書類に記されていれば採用担当者の興味を引く可能性はある。
「会って話してみたいと思われたり、面接で話題に上り、自己アピールにつなげられることもある。自分のキャラを伝えられる資格は、コミュニケーションの助けにもなるんです」(乾氏)
資格をアピールするなら、「なぜ取得したか」を答えられるようにしておくことが重要だ。
「これまで仕事をしてきた中で、どんな課題意識を持ち、その知識を学ぼうと考えたのか。学んだ知識を、今後、自分の仕事にどう活かしていこうと考えているのか。それを一貫性のあるストーリーとして伝えられれば、相手も納得し、評価に結びつきやすくなるでしょう」(乾氏)
既存の資格の場合、取得から年数が経っていると、学んだ知識が古くなっていることも。その点、最近登場した資格であれば、その学習カリキュラムや試験問題は「今の時勢」にマッチしている。「既存社員にはない新しい知識を持っているのでは」という期待感を持たれる可能性もある。
新しい資格を取得することで、「社会の動きに対する情報感度が高い人」、あるいは「目標を持って、それに向けて努力ができる人」という評価につながることも。
「簿記や宅建などの既存資格は学習法が確立されていて、予備校もあります。一方、新しい資格は自分で調べて学習を組み立てていく必要がある。情報収集→目標設定→計画→実践→達成という、ビジネスにおいても必要な力を証明するアピール材料になり得るでしょう」(乾氏)
過去の資格を見ても、取得者が現場で活躍することによって資格に対する評価が高まれば、受験者が増え、難易度が高まるケースがある。早いうちに学んでおいて損はない。人より早くベースの知識を身につけて、さらに磨いていけば、職場で頼られる存在になれるかもしれない。
臨床心理士、産業カウンセラー、メンタルケア心理士(R)認定試験、精神対話士 |
最近、ストレスから「うつ病」を患う人が増えている。厚生労働省の調査によると、うつ病など気分障害の患者数は90万人を突破。1996年の44万人と比較すると2倍以上にふくらんでいる。 企業では、心の病による退職や休職を未然に防ぎ、生産性アップや社内活性化を図るため、従業員のメンタルヘルス対策に力を入れている。そこで、働く人たちが職場での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアの知識・技術・態度を習得できるよう、この検定試験が設けられた。 厚生労働省が策定した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を参考にしたカリキュラム。人事労務担当者や経営幹部などが、社内のメンタルヘルス対策を推進するための「I種(マスターコース)」、各部門の管理職が部下のメンタルヘルス対策を行う「I種(ラインケアコース)」、一般従業員が自らのメンタルケアを行う「II種(セルフケアコース)」がある。 会社としてのメンタルヘルスケア施策を考える人事担当者はもちろん、部下や後輩を指導する立場にあるリーダーや管理職であれば、日常のマネジメントに活かせる。企業の人事部門などを対象とする営業職やコンサルタントなども、メンタルヘルスの知識を取り入れた提案やアドバイスを提供することで、信頼を得られる可能性あり。自分自身のストレスケアができることも、採用選考の場面などでアピール材料になり得る。 |
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Webデザイナー検定、Webクリエイター能力認定試験、Web検定、ホームページ制作能力認定試験、Flashクリエイター能力認定試験など |
あらゆる業種の企業がWebを利用したビジネスを展開するほか、メディアとしてのWebも拡大している。次々と新しい技術やサービスが登場しているが、一方では、著作権侵害や情報漏えい、犯罪などのトラブルも増加。そこで、Webサイトの制作や運営に関わる人には、見た目や使い勝手がよいサイトデザインだけでなく、システム構築やセキュリティ対策などの知識がより重要になってきた。Webサイトの企画・設計・制作・運用など幅広い知識とスキルを持つ人材の価値が高まっている。 「技能検定」とは、技能レベルを測定して公に保証する国家検定制度。138番目の職種としてウェブデザインが追加された。1級・2級・3級にわかれ、それぞれ学科試験と実技試験がある。合格すれば「ウェブデザイン技能士」と称することができる。 インターネット関連企業、Webコンサルティング・制作会社のほか、一般企業のWeb担当としてWebサイト企画・制作・運用に関わる人であれば、専門的で幅広い知識を持っていることの証明になる。関連職種への転職を目指す際、実務経験がなくてもアピール材料に。また、社内でWeb関連部門に異動したい人も、取得することで認められ、希望を実現できるかもしれない。 |
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GCDF-Japan、キャリア・コンサルタント、キャリア・デベロップメント・アドバイザーなど |
ここ十数年の間に、日本の雇用環境は大きく変化した。終身雇用制度が崩れ、雇用形態が多様化し、成果主義が導入され…。人材の流動が激しくなる中で、多くの人が「どう働くか」に悩んでいる。そこで、個々の能力を活かしてイキイキと働ける仕事や職場を選択したり、キャリアを積んでいくための計画をサポートする専門家「キャリア・コンサルタント」のニーズが拡大した。厚生労働省は、民間団体によるキャリア・コンサルタントの養成を支援。現在、10の団体が厚生労働省の指定を受け、独自にキャリア・コンサルタントの養成および認定を行っている。そして、2008年度より、「技能検定」の一つとして国家資格化されることになった。 1級と2級があり、合格者は「キャリア・コンサルティング技能士」の称号を得る。受検資格があるのは、進路相談、職業相談、個人対象の労務関連相談などの実務経験5年以上、または先に挙げた厚労省指定機関で研修・認定を受け、3年以上の実務経験を積んだ人など。未経験から目指す場合、まずは指定養成機関で学ぶのが近道。 人材派遣・人材紹介・アウトソーシング会社など、「企業」と「求職者」のマッチングサービスを行う会社などで、求職者の相談に応じ、アドバイスができる。大学や専門学校などの教育機関では、就職に関するカウンセリングを行える。企業の人事担当者・教育担当者として、従業員の能力開発や人員配置を行う際にもノウハウが役立つ。 |
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薬剤師、サプリメントアドバイザー |
一般用医薬品(大衆薬)の販売が認められているのは、薬剤師がいる薬局やドラッグストアのみ。しかし、日常的に用いられているかぜ薬や胃腸薬の販売に、薬剤師レベルの高度な専門知識が必要なのか、以前から疑問視する声が多かったようだ。高齢化に伴い、大衆薬のニーズ拡大は必至。安全性を守りつつ、より手軽に入手できるような体制が求められている。そこで2009年、改正薬事法の施行に伴い、薬剤師でなくても医薬品を販売できる専門家として「登録販売者」の資格制度が登場。これにより、薬局やドラッグストアに限らず、さまざまな店舗で医薬品を販売することができるようになる。 受検資格は、一般用医薬品の販売に従事した実務経験1年以上。各都道府県が試験を実施する。合格すれば、一般用医薬品のうち第二類(かぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸鎮痛薬など)、第三類(ビタミンB・C含有保健薬、整腸薬、消化薬など)の販売が認められる。 薬局やドラッグストアのほか、医薬品を扱うさまざまな店舗への転職、昇格・昇給を実現しやすくなる。また、自分で薬局を開業できるというメリットも。漢方なども併せて学び、地域密着型の薬局として、病院にかかるほどではないレベルの健康相談に乗ることもできる。 |
健康管理士一般指導員、健康運動実践指導者、ダイエットマスター |
「メタボ」という言葉が一般的になってきた。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、さまざまな生活習慣病の原因となっている。日本では、高齢化とともに増大していく医療費を抑えるため、国民の健康増進策を強化中。2008年4月からは、メタボの早期発見を目的に、40歳〜74歳の健康保険加入者を対象にした「メタボ健診(特定健康診査・特定保健指導)」の実施が企業に義務づけられた。日常の運動や食生活の管理への取り組みが活発になっている今、運動やダイエットなど、正しい健康知識を持って指導・アドバイスができる人材が求められている。 厚生労働省認可の社団法人 企業福祉・共済総合研究所が認定する資格。全国主要都市で実施されている講習会を受講する。肥満の定義や原因、肥満と病気の関係、さまざまなダイエット法、指導方法などを学び、修了すると認定を受けられる。 健康や美容に関する商品やサービスを手がける会社のスタッフとして、肥満予防プログラムを企画・作成したり、 利用客に適切な指導・アドバイスができる。一般企業の総務・人事部のスタッフであれば、従業員の健康管理の施策や保健指導への対応などで知識が活かせる。 |
企業情報保護士認定試験、認定プライバシーコンサルタント |
「個人情報保護法」の施行から約3年。企業も個人も、個人情報管理の意識は高まっているものの、それでも個人情報の流出・紛失といった事故・事件が今も相次いでいる。ちょっとした気のゆるみから、顧客や株主、社会の信頼を失い、経営に大きなダメージを受ける可能性があるだけに、管理体制の強化は企業にとって必須課題だ。そこで、個人情報管理の正しい知識・方法を浸透させるため、この資格が誕生した。自社社員に取得を推奨する企業も増えている。 文部科学省が認可する財団法人が主催。試験では、個人情報保護法やリスク分析、オフィスセキュリティ、情報システムセキュリティ、組織・人的セキュリティなどの知識が問われる。 個人情報を扱う仕事であれば、業種を問わず幅広く活かせる。社内でのステップアップや転職などの際に、「リスクマネジメント」の意識の高さと実践ノウハウを持っていることがアピール材料に。実務面では、個人情報の漏洩を防ぐ対策が取れるほか、契約書や広報物の作成などの際に個人情報保護に関する必要な文言が入っているかどうかのチェックができる。 |
弁理士、ビジネス著作権検定、知的財産翻訳検定 |
近年、世界レベルで「コピーや模倣」が横行している。企業にとって、自社の技術や商品の権利=経営資源を守ることは避けられない課題だ。個々の企業だけでなく日本の国際競争力を高めるためにも、知的財産管理は重視されている。2002年には、政府が「知的財産立国」を国家戦略として打ち出した。そんな中、2004年に民間試験として「知的財産検定」が誕生。そして2008年、国家資格へと移行した。 1級〜3級に分かれ、それぞれ学科試験と実技試験が行われる。試験では、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、不正競争防止法、独占禁止法・条約、民法、著作権などの知識が問われる。合格すれば「知的財産管理技能士」と称することができる。 企業の法務部門や知的財産部門で働くほか、メーカーの研究開発部門、音楽やゲームなどのコンテンツ制作を手がける会社の著作権管理や契約などで知識が活かせる。 知的財産の知識があれば、自社の権利を守るだけでなく、他人の権利を侵害して賠償問題を生じさせるリスクも回避できる。そのため、専門部署だけでなく、商品の開発や著作物の制作を行う現場でも重宝される。 |
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実務経験者が、能力やスキルのレベルを証明したり、経験の浅さをカバーできる新しい資格・検定も、さまざまな分野で登場している。
IPO(株式公開)の実務力を総合的に問う。上場を目指す企業の準備室スタッフ、管理部門スタッフ、金融機関などで上場関連ビジネスを手がける人や、それを目指す人に。
- 主催団体/日本IPO実務検定協会 http://www.ipo-kentei.or.jp/
経理・財務の実務家1000人が参加した実証実験のデータをもとに、経理・財務のスキルを診断。
合否ではなく、総合獲得点数から5段階のレベルでスキルを評価する。
- 主催団体/日本CFO協会 http://www.cfo.jp/
企業やPR関連会社などの広報・PR担当者向け。従来のPR活動だけでなく、経営戦略、コンプライアンス、IR、危機管理、マーケティングコミュニケーションなど幅広い能力を問う。
- 主催団体/社団法人 日本パブリックリレーションズ協会 http://pr-shikaku.prsj.or.jp/
企業において、資材などの購買・調達業務に従事する人が対象。購買・調達分野の専門知識を身につけていることを証明する。担当バイヤー向けのB級、マネージャー向けのA級がある。
- 主催団体/社団法人 日本能率協会 http://www.jma-cpp.jp/
セキュリティに配慮したプログラミングの知識・スキルを認定する世界唯一の試験が日本でもスタート。アプリケーション開発者・プログラマーのセキュアプログラミングのスキルを証明。
- 主催団体/SANS JAPAN http://sans-japan.jp/SJ/
Webサイトやデジタルコンテンツのデザイナー・クリエイターなど、PC上で制作を行う人の配色能力を評価する。試験では、配色に関する科学的理論などが問われる。
- 主催団体/日本カラーイメージ協会 http://www.j-color.jp/
健康食品市場の急速な拡大に伴い、健康や栄養、健康食品の法令・品質保証・素材などの専門知識を持つ人材を育成するために登場。メーカーや販売店など健康食品を扱う企業で活かせる。
- 主催団体/財団法人 職業技能振興会 http://www.shokugyou-ginou.org/
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