脱・大手！ 50人の年収アップ額／リクナビＮＥＸＴ[転職サイト]

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「大企業に勤めていれば定年まで安心」は過去のもの。昨今、大企業を脱出し、中小企業やベンチャー企業に転職するビジネスパーソンが徐々に増えてきた。この「脱・大手！転職」で、年収の大幅アップになった人も少なくないという。彼らは何をウリにし、どんな給与交渉をしたのか。年収アップに成功した転職者たちにアンケート調査を実施した。


	転職したことでどれくらい年収が増えたのか？アップ額の大きかった順に、50人の転職事例を一挙公開。自己アピールの工夫や給与交渉の方法など、詳細を見ていこう。


1	500万円 1000万円 →1500万円	総合建築会社の営業 →貸しビル業の営業	38歳男性	給与額は、仕事ぶりを見てから決めてもらう前の会社ではどんな仕事でも引き受け、独自のノウハウを蓄積。転職ではそれをウリにするとともに、「最初は月20万円で結構です。私の仕事ぶりを見て給料を決めてください」と申し出た。2年間の修業期間を経て、現在の年収に落ち着いた。
2	400万円 450万円 →850万円	クレジット会社の与信モデル作成 →調査会社のリサーチャー	35歳男性	短所を長所に転換させて自己アピールこれまで放送局の研究員や生保のセールスプロモーションなどを経験してきた。転職回数が多いので、それをカバーするために、「さまざまな業界で学んだおかげでマーケティング力には自信があります」という1点に絞り込んで自己アピールした。
3	390万円 350万円 →740万円	大手小売店の販売職 →運輸会社の営業（新規顧客開拓）	34歳男性	「給与もポストも成果次第で」と申し出る成果主義の会社を探し、面接では、「営業成績次第で昇進や昇給を随時お願いしたい。その代わり、もし成績が振るわない場合は、給料を大幅カットしていただいて構いません」と、やる気と意気込みの強さをじかに社長に伝えた。
4	350万円 600万円→950万円	大手資材メーカーの経理（海外駐在） →加工メーカーの経理	47歳男性	語学力や業界・職種経験が評価された？　収入アップを図って特に策を講じたわけではない。ただ自分なりに考えるに、海外駐在経験や語学力、業界・職種経験が高く評価されたのかと思う。中小企業に移ることに私は全く抵抗がなかったし、今は身軽で仕事がやりやすい。
4	350万円 450万円→800万円	大手情報サービス会社の経理 →ガス工事の管理業務	39歳男性	面接で明るく快活な人材をアピールした　通勤距離が短く、職場の雰囲気がいい会社に転職したかった。面接では、やる気や快活さを押し出し、終始明るく振る舞った。相応のポストと収入を得たかったので、前の会社での給与額を言って、希望額まで引き上げてもらえるよう交渉した。

大手企業で培ったスキルやキャリアがどう評価されて報酬に反映されるかは気になるところ。アンケート調査をもとに、年収はどれぐらい増えたのかをグラフにしてみた。

交渉するほうが、アップ額は大きい？
アップ額で多かったのは、「50万円」や「100万円」というきりのいい数字。これらの人には、「前職の年収を聞かれたのでそのまま答えたら、この年収に決まった」というコメントがよく見受けられた。一方、200万円超アップしたケースでは、「前職より1割アップを希望した」とか「前職の給与明細を持参し、これ以上欲しいと交渉した」など、自ら積極的に動いた事例が目立った。

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6	300万円 550万円 →850万円	大手アパレルメーカーの営業 →外資系アパレルメーカーの営業	39歳男性	面接でしっかり最低希望額を伝えるレジュメでは語学力、企画力、コネクションをアピール。当たって砕けろとばかり、面接では「最低でも850万円欲しい」とはっきりと希望額を言った。
6	300万円 450万円 →750万円	生保会社の数理計算 →インターネット関連	38歳男性	資格とやる気をウリにする　発展の見込みのある業界を選択し、レジュメでは資格を、面接ではやる気をアピール。収入の交渉はしなかったが、結果、大幅アップした。
6	300万円 350万円 →650万円	新聞企画 →情報サービス	47歳男性	「飾り立てずに自然体」が功を奏す組織がしっかりしていれば、規模の大小など問題でない。レジュメや面接では、特に飾り立てず、自然体で通したのが功を奏したのではないか。
6	300万円 300万円 →600万円	大手建材メーカーの資材管理 →アルミの押出型材の製造販売	35歳男性	資材管理の経験をアピール　オンリーワンの技術力など、キラリと光る会社を探した。給与交渉はせず、同業種だったのでレジュメで資材管理の経験を強くアピールした。
10	280万円 360万円 →640万円	電力会社の窓口業務 →自動車部品メーカーの生産管理	33歳男性	淡々としていたら、いきなり高い額を提示された　収入にこだわらなかったので、レジュメや面接では淡々としていた。先方からいきなり金額提示され、希望額よりも多かったので受け入れることに。

仕事のやりがいを求めたのか、相応のポストか報酬か。それとも大企業のコマで終わりたくなかったのか。中小企業やベンチャー企業に転職した主な理由を尋ねてみた。

やりたい仕事と報酬を求めて

純粋に「仕事内容を重視」したという理由が1位だった。
自分のやりたい仕事ができるなら、会社の規模や知名度にはこだわらなかったということだろう。続くは「仕事に見合う報酬が欲しかった」という報酬重視型。やった仕事を正当に評価され、それが報酬に反映されたら、仕事上の苦労はいやされ、やりがいも大きくなるのだ。

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11	250万円 750万円 →1000万円	大手建設会社の営業 →コンサルタント	47歳男性	マーケットニーズをリサーチして会社を選んだ。先方から提示された額が今の年収だった。
11	250万円 450万円 →700万円	大手ゲームメーカーのプログラム開発→主にゲームのプログラム開発	40歳男性	レジュメでは今まで開発してきたタイトルを列挙。スキルが相手に伝わりやすいように工夫した。
13	220万円 180万円 →400万円	ゴルフ場のコース管理→ 旋盤工作機械のオペレーター	26歳男性	面接で給与面の希望を聞かれたときに、「前の会社よりも多ければ」と答えたところ、今の年収に。
14	200万円 900万円 →1100万円	銀行の自社システム開発 →システム開発	41歳男性	大企業で培ったキャリアとスキルを武器に、面接で自ら希望額を言ったところ、それが通った。
14	200万円 800万円 →1000万円	ベンチャーキャピタルの投資営業→M&Aのアドバイザリー業務のディレクター	36歳男性	専門性の高い求人を探した。前職の年収を伝えたところ、この年収でどうかと打診があり、ＯＫした。
14	200万円 600万円 →800万円	外資系コンサルタント会社のコンサルタント→ IT関連ベンチャー企業のプログラミング	30歳女性	スカウトによる転職だったため、特にこちらからアピールはしていない。提示された金額で了承。
14	200万円 500万円 →700万円	アパレルメーカーの企画推進 →貸しビル業の経理	39歳女性	将来性のある業界を選んだ。特に自己アピールしていないが、資格が強みになったのだと思う。
14	200万円 450万円 →650万円	電話勧誘サービス →官公庁への法人営業	30歳男性	これはと思う求人が出てくるまで、しぶとく待った。面接の場での給与交渉はしていない。
14	200万円 400万円 →600万円	官公庁職員（事務） →特定人材派遣会社のネットワーク保守運用	46歳男性	ありのままの自分を見てもらうことにし、やる気を意思表示した。だいたいの給与が先方から提示された。
14	200万円 400万円 →600万円	精密機械メーカーの半導体開発→ベンチャー企業の半導体開発	38歳男性	成長性の高い会社を選んだ。仕事内容重視だと伝えて、希望額を述べたところ、受け入れられた。
14	200万円 400万円 →600万円	大手電気機器メーカーの営業（新規開拓）→医療機関の企画営業	34歳男性	同じ営業なら、今後伸びそうな業界で仕事をしたかった。前職で培った営業スキルをウリにした。
14	200万円 350万円 →550万円	大手運送会社事務 →自動車ディーラー	37歳男性	発展しそうな自動車メーカーの直資ディーラーを選んだ。特にこれといった交渉はしていない。
14	200万円 300万円 →600万円	住宅メーカーの設計・営業 →製造業ライン作業	25歳男性	レジュメや面接では、とにかくやる気のあるところをアピール。給与面では特別な交渉はしなかった。
24	160万円 420万円 →580万円	国立大学研究員→ 技術研究所の研究ソフト開発	36歳男性	将来性のある会社を選んだ。ほかの人があまりしていないような高度技術や研究業績をアピール。
24	160万円 340万円→500万円	携帯電話の店頭販売・店舗管理→パチンコ店の本部機能管理業務全般	29歳男性	履歴書・職務経歴書には自分がどのように考えて仕事をしてきたのかをPR。あとは人材紹介会社に一任。
26	150万円 950万円 →1100万円	信託銀行の業務企画 →投信投資顧問の内部監査	40歳男性	CPA、証券アナリストの資格を武器に、入社後、専門スキルや経験がどう活かせるかをアピールした。
26	150万円 700万円→850万円	総合電機メーカーの技術（生産設備導入、立ち上げ）→精密機械メーカーの研究開発	41歳男性	企業情報をしっかり収集し、面接時には面接担当者を笑わせるくらいわかりやすく話した。
26	150万円 550万円 →700万円	ISPのカスタマサポート →セールスエンジニア	34歳男性	レジュメではこれまでの実績をアピール。決めうちで、規定金額以上でなければ話を進めなかった。
26	150万円 550万円 →700万円	大手測量会社の技術 →ITベンチャーの技術	33歳男性	ボーナスや残業代で年収がアップダウンしない年俸制の会社を選択。希望のアップ額を伝えた。
26	150万円 500万円 →650万円	大手通信メーカーの経理 →IT関連ソフトウェア開発メーカーの経理	29歳女性	少数気鋭の企業を選び、レジュメでは資格をウリに。面接では、前職の年収を少々高めに言った。
26	150万円 450万円 →600万円	証券会社のアナリスト →学習塾の経理	40歳男性	仕事内容を重視し、かつ年収アップできそうな企業を探した。会社から提示された給与でOKした。
26	150万円 400万円 →550万円	法面工事などの建設会社 →通信販売代理店	34歳男性	幅広い顧客を相手にできる仕事を選んだだけで、特に年収アップのための工夫はしなかった。
26	150万円 350万円 →500万円	総合建設業の経理 →収益不動産売買の契約管理業務	32歳男性	会社選びの段階で、業績のいい会社に絞った。特に自己アピールや給与交渉はしていない。
26	150万円 350万円 →500万円	アパレルメーカーの営業 →不動産会社の営業	38歳女性	売り上げできちんと評価され手当がつくかどうかを確認し、レジュメではとにかくやる気をアピール。
26	150万円 250万円 →400万円	生保会社の営業 →建具メーカー	35歳男性	やりたい仕事重視だったので、報酬にはこだわらなかったが、結果としてアップしていた。
26	150万円 180万円 →330万円	官公庁の事務職 →調剤薬局の事務	36歳女性	やった仕事に見合う報酬を得たかった。とはいうものの、レジュメでは特に工夫をしなかった。
37	140万円 450万円 →590万円	大手麻酔・呼吸器系メーカーの薬事→循環器系メーカーの薬事	35歳女性	明確な評価基準のある会社を選んだ。面接では、恥ずかしがらずに、過大なぐらい自己PRをした。
38	133万円 200万円 →333万円	公務員 →税理士事務所	34歳女性	知人から声をかけてもらっての転職だったので、特に年収アップの工夫はしなかった。
39	130万円 550万円 →680万円	アルミ加工メーカー →外資系（オランダ）建材メーカー	44歳男性	面接では流通の拡販やエンジニアリングセールスとしての可能性を主張。あとは人材バンクに一任。
40	120万円 480万円 →600万円	SIベンダーのSE →ソフトウェア開発のSE	35歳男性	知人の紹介なので特にアピールはしていない。給与面でもこちらから数字を出したりはしなかった。
40	120万円 400万円 →520万円	大手旅行会社の営業 →時間貸し駐車場運営会社の営業	36歳男性	面接では、「前職より1割アップをお願いできたら」と言っただけだが、今の金額になった。
40	120万円 240万円 →360万円	大手商社の事務職 →販売職	31歳女性	自分の能力が認められたいだけで、収入にはそれほどこだわらなかったが、面接でこの金額に決定。
43	110万円 290万円 →400万円	カタログ通販会社の編集 →編集プロダクションの編集	35歳女性	家から遠く、一人暮らしをしなければならないので、その点を考慮してほしいと面接時にお願いした。
44	100万円 650万円 →750万円	情報セキュリティー会社の企画営業→情報セキュリティー会社の企画営業	45歳男性	これまでどんな工夫をして結果を出してきたかをレジュメで説明、面接では入社後どう営業するかをアピール。
44	100万円 600万円→700万円	外食産業の店長→個人サービス会社の顧客管理	43歳男性	やった仕事に見合う報酬が欲しかったので、会社選びの段階で固定給プラス歩合の企業を選んだ。
44	100万円 600万円 →700万円	事務 →事務	37歳女性	事務職にも高給を出す企業を探し、レジュメではパソコン能力も含めた事務能力をアピールした。
44	100万円 550万円 →650万円	大手設備機器メーカーの技術 →食品工場の工務	39歳男性	残業代がきちんとつく企業を選んで応募。面接では、今と同額以上の給与が欲しいと交渉した。
44	100万円 500万円 →600万円	コンピュータベンダーの営業 →ソフトハウスの営業	40歳男性	相応の報酬をもらうことでやりがいを感じたかったが、レジュメや面接では特に工夫はしていない。
44	100万円 500万円 →600万円	精密機器メーカーの組み立て・調整業務→印刷会社の生産管理	49歳男性	これまでの仕事をレジュメで具体的に説明。面接では自分のやる気や能力をアピールした。
44	100万円 500万円 →600万円	大手食品メーカーの秘書 →製薬メーカーの秘書	37歳女性	学歴ではなく、評価で報酬が決まる企業を選んだ。具体的な交渉は人材紹介会社に任せた。

大企業を離れて中小・ベンチャー企業に飛び込む際、不安や心配事はあったか？
それはどんな点だったのかを聞いてみた。

見通せない不安は、期待と表裏一体

不安や心配事のトップは「会社の将来が見通せない」ということ。「だけどその半面、無限の可能性もあるということで、なんやらワクワク感があった」というコメントをくれたのは、バイオ関連のベンチャー企業へ転職した人である。2位は「退職金や企業年金」といった将来の保障、そして3位の「福利厚生」と続いた。

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大手企業では味わえなかった、中小・ベンチャー企業ならではの長所とは、いったいどんなことだろう？実際に入社してから気づいた点など、働いている人の声を集めてみた。

	経営者に認められやすい
	社長との距離が近いので、一生懸命働く姿をじかに見てもらえます。ときどき、声をかけられたりすると、非常にやりがいを感じますね。（アップ額200万円／製造業ライン作業／25歳）

	温かな人間関係が築ける
	家族単位で交流の場が持てるのは小さな会社ならでは。先日も同僚の2家族と一緒にキャンプに行きました。仕事を超えた人間関係が築けたのは、大きな収穫でした。（アップ額80万円／電気工事会社の技術／36歳）

	営業成績が即、報酬にはね返る
	営業成績がそのまま報酬という形で表れるので、達成感を得られやすくなりました。（アップ額150万円／不動産会社の営業／38歳）

	何より人材第一
	社員一人ひとりの個性を尊重してくれる会社です。売り上げよりも社員第一という考え方は、自分も大切されているようで、働きがいがありますね。（アップ額160万円／技術研究所の研究ソフト開発／36歳）

	20代女性も部長職に
	経理の資格を持っていたとはいえ、「20代の女性で部長職」は、大手企業ではなかなか考えられないのではないでしょうか。責任は重いですが、裁量権のある今のポストに満足しています。（アップ額150万円／IT関連ソフトウェア開発メーカーの経理／29歳）

	会社の「今」を把握しやすい
	上司にも自分の意見がすんなり言えるようになりました。組織が小さい分、たとえ平社員でも会社の現状を把握しやすく、すぐ仕事に反映できます。（アップ額100万円／マッサージ師／22歳）

	板ばさみのつらさがない
	派閥がないので、板ばさみになる心配がありません。余計な気遣いをしなくていいのはこんなに楽なのかと、転職して初めて感じました。（アップ額50万円／電気・IT企業のプログラマー／34歳）

	任せてもらえるので仕事がしやすい
	組織の縛りがきつくないので、以前のように「こうしたらもっと数字が上がるのに」とイライラすることが減りました。ある程度任せてもらえるので、仕事がやりやすくなったのです。（アップ額100万円／情報セキュリティー会社の企画営業／45歳）

やる気や決意を形にすると
収入アップにつながりやすい

大手企業で培ったスキルやキャリア、人脈を持って中小・ベンチャー企業に転職するといっても、すべてのケースで大幅な年収アップが望めるわけではない。前職の給与額を言って「同額」か「同額にいくらか上乗せ」を希望したらそれが通ったというケースが多いなか、大幅アップに成功した事例はどこが違うのか。「成果を見て報酬やポストを決めてくださって結構です」と下駄を預けた人、「○○年で必ず顧客を○○社増やしてみせます」という成果を宣言した人など、リスク覚悟で飛び込んだケースが目立つ。自信がなければなかなか言えない言葉だが、「この人材が期待の星になってくれるか否か」の判断に迷う企業の心を揺さぶり、やる気と決意のほどが伝わりやすいのは確かだろう。