部下がいうことを聞かない、やる気を出してくれない…

プロがズバリ解決!「初めてリーダー」悩み相談室

年功序列という考え方が古いものとなり、年齢に関係なく責任ある仕事ができる企業が増えつつある。それはそれで喜ばしい一方、雇用形態の多様化や外国人採用の活性化、年次を問わない組織編成により、若くしてリーダーを任されることの難しさに直面している人も多いだろう。そんな30歳前後の「初めて課長」の悩みを、人材マネジメントのプロがすっきり解決!

2010年07月07日

<ADVISER>

(株)フェイスホールディングス 代表取締役社長/小倉 広氏

(株)フェイスホールディングス
代表取締役社長/小倉 広氏

就職情報会社の企画室、編集部、組織人事コンサルティング室課長などを経験後、2003年フェイスホールディングス代表取締役就任。リーダーシップ開発と理念浸透に特化したコンサルティング並びに教育研修を提供。顧客企業の組織づくり、人材育成を支援している。著書に「上司は部下より先にパンツを脱げ」(徳間書店)「33歳からのリーダーのルール」(明日香出版)など。最新刊は「課長のスキル どんな会社でも通用する70の技」(徳間書店)。新聞、雑誌への寄稿や講演多数。

(株)クライス&カンパニー 代表取締役社長/丸山貴宏氏

(株)クライス&カンパニー
代表取締役社長/丸山貴宏氏

大手就職情報会社の人事を7年間担当した後、1993年にクライス&カンパニーを設立。これまでに1万人以上と面接した経験を持ち、その実績に基づいたカウンセリングで数多くのベストマッチングを生み出してきた。「転職のベストタイミングは自分の中にある」をモットーに、相談者の根っこにあるエネルギーを発掘することに日々全力投球する。著書に「キャリア・コンサルティング」(翔泳社)など。

【戦略立案に関する悩み】
Q.会社の方針に納得ができません

初めてチームリーダーになりました。しかし、会社の方針に納得できず、それをうまく部下に伝えることができません。会社が掲げる方針は目先の数字だけを追っていて、顧客の方を向いているようには思えませんし、リストラで部内の人数も減り、部下たちに負担がかかることは目に見えています。彼らを納得させるような戦略に落とし込める自信もなければ、仮にできたとしても、やり抜くことができるか心配です。プレーイングマネージャーになって、自分で方法を模索した方がいいのかと思ったりしますが…。(営業企画)

【小倉氏の回答】 自分で変えられないなら、無理を承知で従うのみ
多くの場合、リーダーシップに優れた人物がリーダーになるのではなく、トッププレイヤーがリーダーになります。両者に求められるものは全く違いますから、うまくいかずに悩むのも当然ですね。しかし、会社の方針に納得がいかないからといって、上司や経営のせいにすることはやめましょう。結論から言うと、「気に入らなければ自ら変えろ。さもなくば従え」ということ。つまり、今の上司を追い抜いてあなた自身が上司になり、方針を変えられるような立場になればいいのです。それが無理なら、何も言わずに会社の方針に従う以外にありません。そのためには、まずは上司に信頼されるようになることですね。目の前の仕事を必死にやるのです。たとえ方針に納得がいかずとも、無理を承知で必死に取り組むこと。そうすれば必ず協力者が現れるものですし、失敗したとしても、全力で取り組んだことを周りが知っていれば、失敗はとがめられません。上司からも、そして無茶ぶりを受けた部下からも、信頼を勝ち取ることができるはずでしょう。つまり、この場合は、上司を何とかしようと思うのではなく、自分を変えることが大事なのです。

【丸山氏の回答】 四の五の言わずやる。「どうやったらできるか」で悩め
リーダーを経験する人の誰もが直面する問題ですね。キャリアを伸ばすために必ず受ける「洗礼」のようなものです。もう「四の五の言わずにやる」しかありません。そのために、会社が掲げる方針・目標に対して、リーダーが心の底から納得すること。そして、リーダー自身の言葉で部下たちに語れるようになることです。そうしないと現場は破たんします。
あなたがまずできることは、上司ときちんと話をして、掲げられた方針・目標を納得することでしょう。もしかしたら、「売り上げが下がる中で全員の給与水準を維持するためには、これだけ達成しないといけない」など、その目標数字に対して意味があるかもしれません。少なくとも事業の背景を知ることは、あなたに経営者的な視点をもたらすはずです。また、無理難題を小人数で実現させようとすれば、従来のやり方からガラッと変える必要があります。今までにない発想が必要ですし、部下への指示の出し方も工夫しなくてはいけませんから、戦略を立てて実行する力は確実に身に付くでしょう。つまり、「できる・できない」の次元で悩んではいけません。「どうやったらできるのか」で悩むべきなんです。

【コミュニケーションに関する悩み】
Q.部下の気持ちがわかりません

部下を4人抱える係長になって3カ月たちました。表面的に明確な問題は起きてはいないのですが、いまだに部下たちが何を考えているのかよくわかりません。面談で得意なことを聞いても言ってくれないし、どうも心を開いてもらえてないような気がします。悩みを抱えている素振りも見せるので、飲みに誘ったところ断られてしまい…。これでは上司として失格なのではと悩みますし、今後、信頼し合えるような人間関係を築いていけるか不安です。部下の気持ちを知るための、いい方法はありますか? (Web企画)

【小倉氏の回答】
上司の取るべきコミュニケーションとは「話を聞いてあげること」

いきなりホンネをしゃべらないのは当然でしょう。ホンネを話すのは、信頼している人に対してですから、あなたがまずは部下から信頼されるようになることです。「信頼されるための法則」があります。(1)相手を尊重する(2)人のせいにしない(3)誠実である(嘘をつかない、約束を守る、自慢しないなど)。この3つをきちんと行うこと。当たり前のことばかりですが、こうしたことをきちんとできる人は、誰からも信頼されるのです。
さらにもう一つ、部下の本音を引き出すために実践してほしいこと。それは、「一日一回、週一回」です。「一日一回」は必ず、部下全員と話をしましょう。忙しければ電話でもいい。帰り際にひと言、「今日一日どうだった?」と声をかけるだけでも、信頼関係は蓄積されるものです。そして「週一回」は必ず、カフェなどで一人ずつ面談を行うことです。説教が伴うような堅苦しいものではなく、「何か聞きたいことはある?」とひと言聞いてあげましょう。部下が興味のあることを聞き、悩みがあれば解決してあげるのもリーダーの役割ですから、彼らの声に耳を傾ける場所をつくってあげるのです。リーダーにとっては、聞くことがコミュニケーション。そして、話してくれたことに対して、「そんなふうに悩んでいたのか」「大変だったね」と声をかけてあげましょう。これを繰り返していくうちに、部下たちはホンネを話してくれるようになりますよ。

【丸山氏の回答】
相手を強く思う気持ちが、あなたのリーダーシップを磨く

どうもあなたは小手先のテクニックしか考えていないように思いますね。聞きたいのは、「あなたは心の底から部下を愛していますか?」ということです。部下に対して「幸せにしてあげたい」という気持ちで接していれば、彼らは必ずその気持ちにこたえてくれるはず。よって、まずあなたがすべきことは、部下たちが「あなたのために働こう」と思えるような環境をつくること。そのために、あなた自身が部下たちのことを本気で考え、その成長を切に願い、いいチームを作ろうとする姿勢を見せなくてはいけないでしょう。この意識こそが、相手が取引先だろうが社内の仲間だろうが、商談の規模が大きかろうが小さかろうが関係なく、どんなシーンでも必ず必要となるリーダーシップなのです。若いうちからこの部分を磨けるのはとてもいいことですし、その意識でコミュニケーションが取れる人は、ビジネススキルが高い人だと評価されますよ。

【実行力・推進能力に関する悩み】
部下のモチベーションをアップさせたい

3人の部下から、やる気が感じられなくて困っています。中でも、何度もリストラ候補になった年上の部下に手を焼いています。仕事ができないくせに上には気に入られるタイプで、部長からも「面倒を見てやってくれ」と言われているんですが、注意するとすぐへこむし、さらに大きな失敗をしでかすので扱いに困っています。大事な会議でも平気で遅刻するし、すっぽかすことも。彼の影響で若い部下たちの気も緩んできていて…。部下のモチベーションを上げて、チームを一つにまとめるために、私は何を実行すべきですか?(営業)

【小倉氏の回答】 約束し、守れる環境をつくる。それがリーダーの役目
人が育っていくための基本は、「約束をして、それを守る」ということ。ダメな部下のモチベーションを上げる方法を考えるのも同じです。しっかりとコミットメントしたうえで、ホンネの約束を交わすことからですね。約束をしたら、信頼して温かく見守ってください。進捗状況の測定を行う場合も、接し方に気をつけ、「主体性を奪わないこと」を第一に考えてあげましょう。よくできたと褒めれば依存が生まれますし、頑張りが足りないと叱れば、主体性がなくなります。ではどうするか? 一番いい方法が、「一緒に喜ぶこと」なんです。途中経過を聞きながら、「そうかそうか、それは俺も嬉しいよ」と声をかけてあげましょう。主体性を奪わず、ニュートラルに接しながら、やる気もフォローするためのとっておきの接し方です。なんて面倒臭いんだ、と思うかもしれませんが、人を育てていくことは簡単なことではありません。時には厳格な父親のように、時には母親のような包容力でと、その場その場で役割を変えながら接してあげることこそが、あなたの大切な役目なのです。よって、年上の部下の場合も、会議の遅刻に対しきちんと約束を交わすことです。約束が守れない場合は、それなりの措置、つまり大事な仕事を任せないなどといったことを考えればいいでしょう。

【丸山氏の回答】 やる気が上がる循環をつくり、実行させるべし
「モチベーションは3週間で下がる」という説があります。その浮き沈みをコントロールすることは、上司に求められる大切なスキルです。まずは「目標設定で部下のやる気を上げ、実現のための仕組みを作る。さらに、その仕組みを実行させ、成功体験を積みながらやる気につなげる」という循環作りですね。まずは、一人ひとりの言葉で仕事の意味を理解させ、本気で目標設定させる。また、日々の仕事をあなたがしっかり把握し、定期的にフィードバックしてあげることです。
実行力という点で意識したいのが、リーダーシップとマネジメントの違いです。例えるならば、森で迷ったときに率先して高い木によじ登り、「あっちを目指そう!」と道を指し示すのがリーダーシップ。一方、進むべき道を整え、歩きやすくするのがマネジメントの仕事。つまり、仕事を回すうえでまず求められるのは、実はリーダーシップなのです。
リーダーは常に状況を見渡して、率先して自ら実行していかなくてはいけませんから、周りと同じことをやっていてはダメ。周りが何もしていないときこそ、力が発揮されます。そんな目線で物事に取り組める人は、どんな仕事でもこなせますから、転職市場では引っ張りだこです。そして、強いリーダーは強いマネージャーになれます。リーダーシップを身につけることで、ビジネスパーソンとしての可能性が広がることを覚えておきましょう。

リーダー経験があなたの市場価値を高める

初めてのリーダー経験で直面する悩みの一つずつが、あなたを確実に成長させてくれるはず。対上司だけでなく、対部下という未知なコミュニケーションの経験に加えて、プレイヤーのときよりもより経営に近い立場で仕事に取り組める経験は、あなたのビジネススキルを想像以上に鍛えるはずだ。

リーダー経験を積みながら、あなたの強みを整理しよう。
リクナビNEXTスカウトへのレジュメ登録がお勧め。

リーダー経験を積んだら、身につけたリーダーシップを武器に、次のステップを目指して行動を起こしてみよう。「リクナビNEXTスカウト」にレジュメを登録することで、あなたがリーダーとして得たビジネススキルが、幅広いフィールドで活かせることに気付くはず。企業が見るのは、身につけたリーダーシップや、マネジメントスキルをあなたがどのように発揮しようとするか。自分の市場価値や客観的な評価がわかれば、リーダーとして活躍するために強みとなる「軸」を磨くこともできるだろう。また、思いもよらぬ企業からオファーがくれば、モチベーションもアップするはず。自ら積極的に動いて、リーダー経験を活かしたキャリアアップを目指そう。

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EDIT
高嶋ちほ子
WRITING
志村 江
PHOTO
平山 諭
ILLUST
佐藤ワカナ

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