転職トップ > 転職成功ノウハウ > 転職パーフェクトガイド > 転職活動 基本の「き」 > 第二新卒、キャリア不足でも不況でも転職突破できた!
もともと転職マーケットは即戦力を問う企業が多いのに、さらに景気が悪化すれば、キャリアのない自分の転職はどうなるのだろう…。不安に思っている第二新卒の人も多いのではないでしょうか?けれどもこんな時代にも、思いどおりの転職を果たした第二新卒者はいます。彼らはどんな転職活動をしたのか、何をアピールしたのか、成功のカギを探ってみました。
2009年5月20日
●人材サービス会社の営業 → ●土地活用コンサルティング会社の営業
(株)エムディアイ
コンシェルジュ
加藤 誠さん(26歳)
通販会社で富裕層対象の展示会を担当していた加藤さん。仕事は面白かったが、業績悪化で所属部署が閉鎖されることになり、人材サービス会社に転職した。ところが、この会社も業績不振に陥り、わずか4カ月後、再び転職活動することになってしまう。しかも2度目の転職は、金融危機に端を発した世界同時不況による求人減の影響で、予想以上の苦戦を強いられたのだった。
- PROFILE
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1982年生まれ。大学卒業後、通信販売会社に入るが、2年で退職。その後、人材サービス会社を経て、2009年1月、土地所有者にアパートなどの活用法を提案して運営・管理までをサポートするコンサルティング会社、エムディアイに入る。
2008年9月末
●退職する
転職した人材サービス会社が業績不振に陥る。給与の遅配なども起こり始めたため、退職を決意。仕事を続けながら転職活動するのは、勤務の関係から無理だったので、やむなく先に退職する。
2008年10月〜
●応募40社、うち面接24社、そして内定2社
金融危機の大打撃が世の中を襲う。失業中だけに、余計に不安を駆り立てられた。リクナビNEXTなどのサイトで求人情報を収集。職種は好きな営業にこだわったが、業種はあまり限定せずにアパレル、人材サービス、商社など、気になる企業に応募した(ちなみに今回の転職の最終結果は、応募企業数約40社、うち面接まで進んだのが24社、内定をもらえたのが2社だった)。
2008年11月
●意中の企業にエントリー
転職活動も2カ月目に入り、「年末までに職を決めよう」と決意する。中旬、エムディアイの求人情報を見つける。不動産業界はこれまで転職先に考えていなかったが、「お客様のコンシェルジュとして一生涯通したサービスを提供」という文言に、自分の理想と一致した仕事だと感じて、すぐさまエントリーする。
2008年12月
●面接、そして内定
書類審査を通過し、1次、2次面接へと進む。面接では、通販会社の営業で培った年配客への対応、信頼関係の構築などの経験をアピールする。2次面接ではじかに社長から会社の方向性や経営方針を聞き、入社の意志がより強くなった。月末、内定が決まる。
2008年に2度も転職するはめになり、時代の波に翻弄されているみたいで、とても悔しい思いをしました。けれども、下手に焦っても失敗するだけ。そこで、原点に戻って「どんなふうに仕事をしたいのか」と考えたところ、「会社の方向性と自分の志向性が一致したほうが働きやすいだろう」と気づいたのです。
希望条件もあれこれ広げずに「営業職」「通勤時間片道1時間半以内」の2点に絞り、落ち込んでもセルフイメージを落とさないよう気をつけながら転職活動。その結果、エムディアイに出会うことができました。今はまだ信頼を得るための土台づくりの最中ですが、将来は法律や金融の知識を蓄積し、お客様に頼られる“よろずや”のような存在になれたら嬉しいですね。
取締役
管理本部長
井村 航氏
仕事に対する真摯な思いが、採用の決め手でした
当社が第二新卒を積極採用するのは、彼らは基本に忠実で、新しいことをどんどん吸収する柔軟性を持つ人が多いからです。もちろん受け身では困りますが、謙虚さと自信のバランスがとれた人には好感を抱きますね。
採用で重視するのは、どれだけ仕事に真摯に取り組んできたかという点。前の会社で「こんなことをしたかったが、できなかった」というような強い思いがある人は、今後が期待できます。加藤さんには、やり遂げられなかった悔しさをエネルギーに変え、今度こそ頑張りたいというひたむきな気持ちがうかがえました。ソフトな雰囲気、誠実そうな人間性とともに、ポイントが高かったのです。
●アパレルショップの販売員(アルバイト) → ●IT企業のネットワークエンジニア
(株)ITワークス
教育技術本部
小山智太郎さん(25歳)
せっかく入学した大学だったが、勉強漬けの生活に嫌気がさし、自分を180度変えたいと、中退した小山さん。アパレルのショップでは「正社員にならないか」と声をかけられたこともあった。だが、「正社員になるからには、技術や知識を積みあげられる仕事を」と漠然と考えていたから断ったという。「いずれは」と思いつつも、今の生活も楽しい。そんな毎日に踏ん切りをつけられたのは、「彼女と結婚話も出始めたことだし、25歳までにはきちんとした仕事に就こう」と目標を立て、自らを追い込んだことだった。
- PROFILE
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1983年生まれ。大学中退後、アパレル関連のショップで販売員として約4年間アルバイトをしていたが、結婚を考え始めたことなどを機に、正社員になる決意をする。2008年6月ITワークスに入社し、09年2月に結婚。現在、ネットワーク系のスクールでヘルプデスクを務める。
2008年3月
●人材紹介会社に登録する
まずは人材紹介会社に登録。紹介された4〜5社の面接を受けるが、営業関連の仕事ばかりで今一つピンとこない。上司に事情を話して面接時間のやりくりをしていたが、勤務時間の関係で思うように活動できないのも悩みの種だった。
2008年4月〜
●自分で求人情報を収集する
自分でもサイトで求人情報を探すと、意外にも第二新卒や未経験者歓迎という企業がたくさんあり、目が覚める思いがした。リクナビNEXTに登録してから半月後の4月中旬、なんとなくIT系がかっこいいなと思って見ていたら、ITワークスの求人を発見。きちんとスーツを着て仕事をしている写真を見て、憧れを抱く(この時点で、IT系を中心に数社の応募候補をあげていたが、結局、最初にアプローチしたITワークスに決まった)。
2008年4月末
●会社説明会に参加する
「ゼロから資格取得ができる」「未経験者大歓迎」という求人情報を確かめるため、説明会に参加。社長自らが「未経験のほうが知識を吸収しやすい」と説明してくれたので、「僕にもチャンスがあるかも」と希望を感じて応募する。
2008年5月末
●面接、そして即日内定
1次面接と2次面接が同日に行われた。自己紹介と抱負を語ったあとは、世間話を通してコミュニケーション能力を見られていたらしい。「未経験からのスタートは難しいですよ、覚悟はできていますか?」と、何度も念を押されたのが印象的だった。即日内定が出て、ようやくほっとする。
大学を中退して4年。「今ごろみんなは大学を出て正社員になっているんだろうな」という思いが心のどこかにあり、自分には何もないように感じて不安でした。でも、ぐだぐだ考えていても仕方がない。「人生を立て直すためにも技術が身につく仕事を」と探したところ、ITワークスにたどりついたのです。
入社後の研修期間は朝から晩までIT関連の勉強ばかり(笑)。そのかいあって、独学では取りにくいといわれているネットワークの資格CCNAを約1カ月で取得。社内には未経験で入ってきた同年代も多く、「みんな頑張ろうぜ」という雰囲気があるのも、仕事をやりやすくしてくれています。
代表取締役社長
大島 豊氏
技術を身につけたいというやる気と強い意志が感じられました
なぜ未経験者を採用するのかといえば、それは当社が教育機関から立ち上がった企業であり、IT教育には絶対的な自信があるからといえます。当社では、社員の約9割が未経験からのスタートです。IT系の仕事は、未経験の人には難しそうに見えるかもしれませんが、真面目に根気よく取り組めば大丈夫。多少の経験よりも、素直でやる気がある、継続してやっていく強い意志があるなど、素養のほうが大事です。
またエンジニアにはコミュニケーション能力も欠かせませんが、小山さんには接客業で培った人当たりのよさがありました。いいエンジニアになるだろうという可能性の伸びしろに期待したのです。
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●イベント会社のスタッフ(アルバイト) → ●観光牧場の総合職
(株)マザー牧場
営業部営業課
加瀬正憲さん(25歳)
新卒時、多少の就職活動をしたものの、自分の将来像が描けず、進路に迷ったという加瀬さん。本音は動物関連の仕事がしたかったのだが、求人そのものが少ないうえ、たまにあっても農学部や獣医学部卒の条件が付いており、商学部出身の自分には無理だったという。結局、イベント関連会社でのアルバイトの道へ。約20〜30人のスタッフを束ねるリーダーとして活躍するが、進路に関する心の迷いは消えない。思い悩みながら転職活動を始めたところ、たまたま見つけたのがマザー牧場の求人だった。
- PROFILE
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1984年生まれ。大学卒業後、就職せずに、在学中から続けていたアルバイト生活を継続。10カ月後、転職活動を開始して、2008年3月マザー牧場に総合職として入社。現在は案内所のガイド、電話による団体予約の受付などを担当している。
2007年12月
●再び自分の進路を考える
イベント(主にゴルフツアーの会場設営)の仕事は、冬場が暇である。このままアルバイト生活を続けるか、学校に通って資格を取得するか、あるいは…と、じっくり考えることができた。
2008年1月〜
●求人情報を収集する
大学のキャリアセンターや求人サイトで情報を収集。リクナビNEXTで「サービス業」とキーワードを入れて検索したところ、マザー牧場の求人を発見する。しかも未経験可。「こんなチャンスは滅多にない!」と、さっそくエントリーする。
2008年2月上旬
●書類選考、筆記試験を通過
志望動機には「動物関連の仕事がしたい」と素直に書く。また、イベントの仕事を通して、全体像を把握して人を振り分けたりする管理能力や判断力が培われたことをアピールする。
2008年2月中旬
●面接、そして内定
面接は1次が人事部によるもの、2次が役員、そして最後が社長との1対1で行われた。未経験だし、「ありのままの自分を見てもらって、認められるといいな」という気持ちで臨む。2月中旬内定、3月初旬アルバイト終了、3月中旬入社と、取り巻く環境は目まぐるしく変わった。
新卒時の私は、「動物の仕事に就きたい」とは思うものの、イベントの仕事の楽しさもわかりかけてきたころ。どっちつかずの気持ちで就活していたので、身が入らなかったのだと思います。でも、回り道をしたおかげで、未経験でも受け入れてくれるマザー牧場の求人を見つけられたのですから、人生何が幸いするかわかりませんね。
第二新卒は、キャリアをウリにできるベテランとフレッシュさが魅力の新卒にはさまれた微妙な立場ですが、引け目に感じることなどない。世の中にはいろいろな企業があるのだから、よく探せば自分を受け入れてくれる会社が見つかるのだと、今回つくづく感じました。
総務部総務課
係長
森 忠義氏
外見はソフトでも芯の強さを持つ、欲しい人物像そのものでした
マザー牧場は子どもからお年寄りまでが動物に触れあって楽しめるテーマパーク。サービス業ですから、中で働く社員には、笑顔を絶やさず、明るく温和で、人当たりがよいことが望まれます。一方、動物を扱ったり、屋外での仕事も多いので、忍耐力や責任感といった強い精神力も不可欠です。
一次面接で加瀬さんに会ったとき、人事担当者の一種のカンとでもいいましょうか、そんなイメージ通りの人物が現れたように思いました。「どうか社長面接までヘマしないでくれよ」と、自然に応援したい気持ちになっていたのです。
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