野球団人事、ステージマネージャー、駅係員まで…

2010年の「レア求人」、採用されたのはどんな人?

この1年、リクナビNEXTには実にさまざまな求人広告が掲載されました。その中には、めったに掲載されず、募集人数の少ない希少価値の求人も。今回は、そんなちょっと「レア」な求人を取り上げ、採用された人と採用担当者にインタビュー。アピールポイントや選考基準などを聞きました。

2010年12月22日

求人需要は増加傾向、それに伴い「お宝」「希少価値」求人も増えている

求人の総数が増えると、その分求人内容のバリュエーションも増える。掲載されるやいなや、何百件もの応募が集まる「超人気求人」もあれば、「こんな仕事もあるんだ!?」と惹かれずにはいられない求人も。
たとえば2010年は、オリエンタルランドのステージマネージャー、財団法人東京観光財団の「首都東京を世界に向けてPRする」企画運営、楽天野球団の人事・総務のほか、鉄道会社の駅係員、宇宙・航空系の団体職員など、どんな仕事なんだろう…と思わずクリックしてしまいそうになる求人が多数掲載された(いずれも掲載期間は終了)。
景気低迷で今まで採用を見合わせていた企業が、満を持して採用に動き出す例も多く、リクナビNEXTでレア求人を発掘できる可能性は、以前よりぐんと高まっている。

「アマゾンジャパンのメンテナンステクニシャン募集」に採用されたのは、こんな人!

新しい環境で、メンテナンス担当としての力を試してみたい。
アマゾンの即日配送を支える仕事で、かつ「カイゼン」も担える点に魅力を覚えました

アマゾンジャパン株式会社 三浦勝利さん

アマゾンジャパン株式会社
メンテナンス部 シニアテクニシャン
三浦勝利さん(30歳)

●応募の理由は「生産設備のカイゼンを担え、成長できる環境がありそうだから」
新卒で半導体製造会社に入社し、生産ラインのメンテナンスを担当していた三浦さん。入社7年が経ち、30歳という節目の年を目前にしたとき、初めて転職を考えたという。
「少し前に同僚が別の業界に転職したのですが、新しい環境で新たな技術を習得することが楽しいと、とてもイキイキした表情で話していたんです。前職に大きな不満はありませんでしたが、30歳を機に、別の世界を見てみたい、違う土俵で自分の力を試してみたいと思うようになりました」
転職先に対する条件は、何らかの生産設備に関われる仕事であり、かついろいろなことにチャレンジできて自ら成長できる環境があること。業界にはこだわらず、ネット中心に求人を探したところ、2010年4月にアマゾンジャパンの「メンテナンステクニシャン」職を見つける。メンテナンステクニシャンとは、アマゾンの物流センターにおける物流装置、設備機器のメンテナンスを担う仕事だ。
「いちユーザーとしてアマゾンはよく利用していましたが、ネット企業というイメージが強く、『物流設備』『メンテナンス』などの言葉とにわかには結びつきませんでした。でも、求人内容を読み進めるうちに、急速に印象が変わりました。2000万点以上の商品を扱うにもかかわらず、当日配送にも対応するには、最先端の物流センターを持ち、それを支えるメンテナンス担当の存在が必須だとわかったんです。日々のメンテナンスだけでなく、生産性や品質向上のための『カイゼン』(生産現場で行われる作業の見直し活動)にも関われるとあり、『ここならばどんどん新しいことにチャレンジできそうだ』と感じ、すぐに応募しました」

●書類と面接では前職での「カイゼン経験」を丁寧に説明し、アピール
前職でも、生産ラインの効率化など、いくつかのカイゼンを手掛けた経験があった三浦さん。応募書類では、その経験をメインにまとめ、「業界は違っても、これらの経験は活かせる」と強くアピールした。面接でも、カイゼン経験を細かく説明したほか、分野は違っても個々の機械の動きは理解できること、基礎的知識をベースに早期に新しい技術をキャッチアップできことをアピールした。
「面接の席で、上司となる人が『仕事ではあるけれど、皆で協力し合い楽しく仕事を進めるのがアマゾン流』と話していたのが印象的でしたね。前職では、一人ひとりの役割と範囲が決まっていて、あまり周りと協働することがなかったので、このような環境で働けたら刺激的で面白そうだと感じました」

2010年7月に入社し、千葉県・市川市の物流センターに配属。商品の入荷から、配送されるまでの、すべてのラインのメンテナンスに関わっている。ラインは24時間、365日休むことはない。メンテナンステクニシャンには、その流れを止めないよう日々綿密な点検を行い、突発事項には迅速に対応することが求められる。「このスピード感が刺激的だし、力になっていると感じる」と三浦さんは話す。
「搬送設備、梱包設備などすべての設備がつながっているので、始めはその規模の大きさと多様性に驚きました。どこからチェックすればいいのか…と始めはとまどいましたが、周りが何でも教えてくれるし、チーム内での情報交換も綿密なので、すぐにコツをつかむことができました」
すでに搬送装置を制御の観点から見直す「カイゼン」にも取り組んでおり、生産性向上に一役買っている。
「自分の行動により、設備がうまく回るようになるのが目に見えて分かるので、とてもやりがいがありますね。すべてのお客様に早く商品を届けるという使命に対し、これからも努力し続けたいと思っています」

採用担当者はここを評価した!

HRビジネスパートナー 丹 明善氏

HRビジネスパートナー
丹 明善氏

●前職での豊富なカイゼン経験と、物事を深掘りして考える力を評価
取扱量の急速な拡大により、当社の物流センターはいつもフル稼働状態。お客様に安定的に商品を供給するために、物流ラインを支えるメンテナンステクニシャン職の拡充が急務でした。さらなる成長を担うために、今後のスタートアップ要員となり得るメンテナンス担当者を育てておきたい、という思いもありました。
三浦さんは、前職でいくつかの難しいカイゼンを主体となって手がけ、成果を挙げてきた経験が高く評価されました。業務において物事を深掘りして考える力、責任感の強さも感じられ、当社でもすぐに力を発揮してくれる人だと感じました。

「ファイザーの動物用医薬品プロダクトマネジャー募集」に採用されたのは、この人!

今より大きな土俵で、自分のマーケティングスキルを試したい。
「動物用医薬品」という特殊分野の事業拡大を担える点に惹かれました

ファイザー株式会社 大形純平さん

ファイザー株式会社
アニマルヘルス事業部門 ライブストックビジネス統括部 キャトルマーケティング部 プロダクトマネジャー
大形純平さん(36歳)

●応募の理由は「特殊分野の拡大期に関われ、自身の力を活かせそうだから」
新卒で入社した乳業メーカーの研究所を経て、研究用試薬・分析機器の販売を手掛ける会社に入社。営業を3年、マーケティングを5年担当した。
「より利益を拡大させるためさまざまな手法を検討し、プランニングするマーケティングの仕事にやりがいを感じていました。でも、この業界はとても狭く、このまま今の会社でキャリアを積んでも『井の中の蛙』になってしまうのではないかという不安を覚えるように。もっと大きな業界でマーケティングに挑戦し、自分にどれぐらいの力があるのか試してみたいと思い、転職活動を始めました」
条件に置いたのは、「マーケティングの仕事」であり、かつ「今の会社よりも業界規模、企業規模が大きいこと」の2点。業界そのものには特にこだわらず、転職エージェントやネット検索で求人を探したが、ピンと来るものを見つけられなかった。
そして、転職活動を始めて数カ月経った2010年夏、ファイザーの「動物用医薬品の拡大を担う、プロダクトマネジャー」の募集に出会う。
「見たとたん、これだ!と思いましたね。動物用医薬品は特殊な分野ですが、ファイザーでは今後この分野を拡大していく方針だとありました。事業拡大の過程に関われるのは、とても貴重なこと。自分の力を思う存分試せると感じました」


●現場の意見をくみ取りマーケティングプランを考えてきた経験をアピール
レジュメでも面接でも、大形さんが一番アピールしたのは「現場の営業の意見を取り入れながら、売り上げを最大化できるマーケティング手法を考えることにこだわってきた」経験。
「役割が異なる営業とマーケティングの協働は、なかなか簡単にはいきませんが、営業が動きやすいプランニングをしなければ効果は生み出せません。現場の声をできるだけ尊重してプランを練ることが、マーケティングには必要だと思っています。面接の場では、この私の考えを高く評価してもらい、嬉しく思いましたね」
小規模の組織にいたことで、開発、事務、営業などあらゆる業務担当者の動きを間近で見ることができたため、一連のお金の流れ、仕事の流れを理解している点もアピールした。

2010年10月に入社し、プロダクトマネジャーとして活躍中。ファイザーではこの12月から新しい期がスタート。入社してすぐ、次期はどの製品をどんな顧客にどのような手法で、どのタイミングで提供していくかという、年間を通しての動き方を検討し、12月以降はそれを事業部全体に周知させ、軌道に乗せるために奔走している。
「動物用医薬品は未知の分野なので、覚えること一つひとつが新鮮です。また、我々のチームは20人強とまだ小さいため、団結力があり、情報共有も頻繁。『大形さんが話していたように、お客さんにPRしてきましたよ!』なんて報告を受けると、モチベーションがぐんと上がります。これからも皆で協力し合い、部署の力を最大化して、事業をどんどん大きくしていきたいですね」

採用担当者はここを評価した!

ビジネス・パートナー人事グループ採用チーム課長 大内 健氏

ビジネス・パートナー
人事グループ採用チーム課長 
大内 健氏

●営業と協働してきた経験、ロジカルな思考とそれを伝える力を高く評価
アニマルヘルス事業を拡大するにあたり、マーケティング分野における洞察力があり、データ分析に精通している人に事業部全体を率いてほしいと考えました。そのため、採用の際には、経営陣に対してロジカルに提言できる力、チームや関係部署と円滑な関係を築けるコミュニケーション力も重視しました。
大形さんは、マーケティング経験が豊富なだけでなく、営業部門との良好な関係構築の重要性を理解し、またその術を知っている点に惹かれましたね。面接では終始落ち着いていて、論理的に話ができるところも高く評価しました。

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伊藤理子
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早坂卓也/関本陽介

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