大切なのは、徹底した「顧客視点」

TOP営業3人が語る、期待され続けるための努力と工夫

不況による市場の縮小などで、営業環境は厳しさを増していると実感している人は多いでしょう。企業の海外進出が活発化するとともに「国内での営業職ニーズは減少するのでは」と不安に感じている人も少なくないようです。そんな中、高い営業実績を収め続けている営業担当者に、どのような方法で営業スキルを磨き、顧客の支持を集めているのかを詳しく聞きました。「期待される営業」になりたい人は必見です!

2010年11月10日

アポ前の準備を徹底し、商談の流れを5パターンはシミュレーションしておく

田中敏成さん(28歳)/Webサービス会社・営業

田中敏成さん(28歳・仮名)/Webサービス会社・営業
新卒で入社した保険会社から、2006年にさまざまなWebサイト、Webコンテンツを展開している現在の会社に営業として転職。徹底した行動管理で、「四半期目標は1カ月で達成」を自ら課す。もちろん、入社以来ずっと目標数字は達成、TOP営業として全社表彰されることも多数。現在は10人の部下を率い、チーム全体の目標管理も担っている。

■四半期目標は1カ月で達成するよう、2カ月以上前から行動計画を立てる
営業として一番気を配っているのは、徹底した事前準備。2カ月以上前から、次の四半期の準備を始めています。例えば、10〜12月期だったら、その期の受注スケジュールが見えて来る7月半ばから準備をスタート。クライアントの事業計画を調べて、提案できる商品と広告掲載タイミングをつかみ、自分なりの進行スケジュールを前倒しで立てます。スケジュールはすべて手帳に書き込みつつ頭にも叩き込み、それに合わせてどのように行動すれば効率よく進められるかを考えて行動。その結果、四半期目標はだいたい初めの1カ月で達成しています。時間の余裕ができるから顧客対応に割ける時間が増えますし、予想外のトラブルがあっても慌てずに対応できるので目標数字を絶対に外しません。目標よりもさらに数字を積めるから、売り上げの最大化にもつながります。
いざ商談にうかがう際にも、事前準備を徹底。プレゼン資料などの準備、自社サイトの全ログを確認して相場をつかむことはもちろん、商談中の会話の流れを完全にシミュレーションしておきます。担当者がそのときに置かれている状況、業務が詰まっているか否か…により、商談中の会話の流れは変わるもの。1時間ぐらい時間を割いて、「相手がこう出たらこう話す」という営業シナリオを少なくとも5パターンぐらい考えて、細部までイメージを固めていきます。ただ、ゴールまでは決めません。「この商品を、これだけ売る」と決めた時点で、「売りたいというこちらの都合」に会話が流れてしまい、顧客目線が失われてしまうからです。1回の訪問で私の価値を感じてもらえれば、またこの人に相談したいと思ってもらえ、次の成果につながります。

■社内業務の効率化を徹底して、顧客の要望にスピーディーに対応
生産性向上のため、社内業務の効率化も徹底していますね。時間が空いたらフロア内をぐるっと散歩して、さまざまな立場のスタッフと言葉を交わし、誰が今どんな仕事をしているか、どんな資料を作り、どんなナレッジを持っていそうかをリサーチしておきます。いざ「この情報が知りたい!」「こんな企画書を作りたい!」と思ったときに、誰に聞けば一番有効な情報が得られるかを普段から把握しておくんです。顧客の要望に的確に、スピーディーに対応するため、社内にあるナレッジは使い尽くしています。

「企画書120本書き写しノック」でプレゼン力がUP、重要コンペで勝てるように

岩本勝さん(27歳)/広告代理店・営業

岩本勝さん(27歳・仮名)/広告代理店・営業
新卒で広告代理店に入社し、現在4年目。1年目の冬から2年目にかけて、「デキる営業の企画書」を片っ端からひたすら書き写すことで、「勝てるプレゼン」のコツをつかむ。書き写した企画書は、半年間で120本超。2年目には、並みいる大手代理店が参加するコンペで大型案件を受注することに成功、その後も社内TOPクラスの成績を維持している。

■書き写す過程で、「勝てる企画書」の傾向をつかむ
営業として独り立ちしたばかりの1年目の冬、企画書作成のスキルを上げるために、「デキる営業の企画書をただひたすら書き写す」ことを始めました。社内メンバーのもの以外に、上司が自身の人脈から仕入れてくれた他社のクリエイターのものまで、さまざま。プリントアウトした企画書を、月20本ペースでパワーポイントにまとめ直す…という作業を約半年間続けました。
愚直な行為に映るかもしれませんが、数にして120本以上もの企画書を写す過程で、「勝てる企画書作り」の傾向がつかめてきました。いい企画書は、シンプルで文字が少ないのですが、言葉の選び方一つひとつに工夫が凝らされていて、プレゼン相手がなるべく頭を使わずに、提案全体を理解できるようになっているんです。
商談額が大きければ大きいほど、どうしても売り文句をたくさん並べてしまいたくなるのですが、負ける企画書ほど文字が多くて冗長。勝てる企画書は、言いたいことを敢えてひと言で表すとしたらどんな表現ができるのか、企画書1枚以内でいかに労なく全体を把握してもらえるのか、細部にまで気を配ってまとめられていることに気付き、企画書に対する考え方が180度変わりましたね。

■プレゼンも「シンプルでわかりやすく」に改善し、大型受注に成功
それに伴い、実際に顧客にプレゼンテーションするときにも、シンプルでわかりやすい構成や言葉遣いに気を配るようになりました。多くの場合、ビジネスの場で言うべき要点は定まっているのに、話の構成は「なんとなく組み立てている」というケースが多い。その場合、相手に一度は「だから何?」「そんなことは聞いていないのに」と思わせているはず。プレゼンでこう思わせてしまっては命取りです。「勝てるプレゼン方法」の傾向にも気付くことができたのは、大収穫でした。
「企画書書き写し120本ノック」以降は、企画書でもプレゼンでも、クライアントに共感してもらえる度合いが格段に高まり、成果につながるようになりましたね。先日は、8社が参加した大手不動産会社の大規模コンペに勝利し、大型受注に成功。その会社から「次も岩本さんにお願いしたい」と指名が来るようになりました。

顧客のスケジュールを知り尽くすことで、「顧客に愛される営業」に!

山本卓巳さん(34歳)/カー用品メーカー・営業

山本卓巳さん(34歳・仮名)/カー用品メーカー・営業
新卒でデザイン会社の営業を手掛けた後、9年前に現在の会社に転職。大手量販店をクライアントに持ち、本部と各店舗の担当者と商談を進める日々。「値段だけで判断される営業になりたくない」と頭をひねり、顧客を知り尽くすことで自身を売り込む営業にシフトしたところ、値引きナシの受注が増加。全営業200人中、トップクラスの成績を維持する。

■自身を「新人キャバ嬢」だと考え、コミュニケーションに工夫を凝らす
私が手がけるカー用品は競合も多く、価格競争に陥りがちな商品。「値段で判断されたくない、私自身を評価してほしい」と思い、商品よりも自分を売り込む営業にシフトしました。変なたとえですが、自分のことを「まだ売れていない新人キャバクラ嬢」だと思って、コミュニケーションに工夫を凝らしています。
一番力を入れているのは、担当者のスケジュールをほぼ完璧に把握すること。もちろん、直接聞くのではなく、電話での会話の端々や、メールでのやり取りから少しずつつかんでいきます。例えば、「今週の水曜日にお邪魔していいですか?」と聞いて、「水曜日は1日忙しいんだよね、木曜日ならば空いているけど」と言われたら、「水曜日は本社ですか?大変ですねえ」などと当たり障りない聞き方で探っていきます。結果、水曜日は必ず本社での定例会議があり、木曜日は余裕がある…などのパターンがつかめてきます。担当者が不在だったときに言われる「部の会議で○時まで外しています」なども有益な情報。メールへの返信の速さで、忙しさの度合いを図ることもあります。
スケジュールを把握できれば、相手の余裕のある時間に電話ができるので、営業効率が格段に上がりますし、「会議が終わったところですよね、お疲れ様です!」なんてひと言添えると、「何で知っているの。山本さん、うちの会社の人だっけ?」なんて笑ってくれます。一気に距離が縮まって、その後の話がスムーズに進みますよ。

■身近に感じてもらえれば、「指名買い」の機会が増える
ある程度仲が良くなると、空いている時間に飛び込みでうかがい、「たまたま近くまで来たので、顔を見に寄っちゃいました」なんてこともします。たまたまじゃなくて、わざわざですけどね(笑)。たいてい喜んで対応してくれます。事務所に入ったら、すかさずホワイトボードや担当者の机にあるカレンダーをチェックして情報収集します。
担当者の趣味をつかみ、雑談の際に何気なく挟み込むのも有効策。「山本さんも好きなの?」なんて話が盛り上がり、親しみを感じてもらえます。たとえ全く範疇外の趣味であっても、情報は調べ尽くしますよ。今はゲーム好きの担当者3人と、オンラインゲームでコミュニケーションを取っています。
いずれも地道なことではありますが、担当者に身近に感じてもらうことで相談される機会が増えましたし、「どうせならばこの人から買おう」と思ってもらうことができていますね。

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