グリー、ミクシィ、DeNA、サイバーエージェント

ソーシャルメディア主力4社の最新採用戦略

2010年、ユーザーが情報を発信し、形成していくSNSに代表されるソーシャルメディアが大きな脚光を浴びている。そこで現在、日本国内またはグローバル展開も含めソーシャルメディア事業を積極的に展開している大手4社の、最新の事業戦略や採用戦略を紹介。各社それぞれの戦略から、ソーシャルメディアの今後の展開を見通してみたい。

2010年10月20日

グリー株式会社 
会員数1億人を目指すため、グローバル&マルチデバイス戦略を推進

「六本木ヒルズには日本や世界を代表するIT企業が何社も入居している。私たちもそれに追いつかなくてはならない。その覚悟のほどを示そうと思いました」。今年7月、本社オフィスを六本木ヒルズに移転した理由をこのように語った田中社長。
そのグリーが掲げている目標が、「今後全世界でサービスを展開し、会員数を1億人に伸ばす」というもの。目標達成のための重要なキーワードとなるのが、グローバル戦略とマルチデバイス戦略だ。
まず、グローバル戦略に関してはこの6月、田中社長がTwitter上で「12カ月以内に米国・中国にオフィスを開設します。グローバル展開とスマートフォンに挑戦したい人を大募集です」とのメッセージを発信。それに呼応するかのように9月、海外大学生や外国人留学生の積極採用を発表し、グローバル人材の採用を強化している。

一方、マルチデバイス戦略に関してはこの夏、はてなの伊藤直也氏を新たに同社のメディア開発本部ソーシャルメディア統括部長として迎えたことが、エポックメイキングな出来事として業界内で大いに注目を集めた。まだ立ち上がったばかりの「GREE」スマートフォン版を伊藤氏の陣頭指揮の元、開発強化を急速に進めることで、スマートフォンでグリーの全機能を利用できるようにするという。

グリーが求めるエンジニアは「自分でサービスを企画し、作れること。さらにインフラ運営に長けているエンジニア」だ。最大級のWebサービスを展開する企業となったグリーにとって、もはや“社会インフラ”ともなった自社システムを安定運用することが今後、グローバル展開していく上でも必須。そこで特にこれまで大規模な基幹系システムの構築運用に携わってきた、SI業界のエンジニアを即戦力として求めているようだ。

株式会社ミクシィ 
プラットフォーム化戦略で、ソーシャルグラフ・プロバイダーへ

9月10日に開催された「mixi meetup 2010」にて発表されたニュースは、業界内で大きな注目を集めた。ひとつは、mixiの新プラットフォーム(mixi Plugin、mixi Graph API」を公開することで、mixiのソーシャルグラフをさまざまなサイトやサービス、機器に利用できるようにしたことである。mixiはプラットフォームに徹し、「ソーシャルグラフ・プロバイダー」を目指すとした。この仕組みの一つ、「mixiチェック」を、「モバゲータウン」のDeNA、「Yahoo! JAPAN」のヤフー、「楽天市場」の楽天など大手ネット事業者が早速利用。特に、これまで競合と言われることの多かった「モバゲータウン」を運営するDeNAも参入したことで、「ソーシャルグラフはmixi、ゲームプラットフォームはモバゲー」というすみ分けを明確に位置付けた。今後もさらなるサービス強化の為、新たな発想とパワーを生み出せるエンジニア採用も積極的に展開している。

またもうひとつは、海外SNSとプラットフォーム共通化をするとしたこと。今後、ソーシャルグラフプロバイダーとしてさらなる拡大を視野に、世界各国の大手SNS事業者とのプラットフォーム提携を進めるというのだ。その第一弾として、中国SNS「Renren」と韓国SNS「Cyworld」との提携を発表。現時点でのユーザー数がそれぞれ1億5千万人と2500万人で、各国のシェアNo.1を獲得している。ソーシャルアプリのプラットフォーム共通化を進めることで、まずはソーシャルアプリケーションプロバイダが、容易に海外を含めた複数社のプラットフォーム上で事業展開を行えるようになる。今後は欧米をはじめ他の地域の大手SNS事業者とも提携していくそうだ。さらに、アプリ以外のAPI共通化推進も連携を試みているという。

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
端末種や国境を超えるチャレンジ「X-device」「X-border」戦略を加速させる

昨年秋に大ヒットした「怪盗ロワイヤル」をはじめ、自社開発によるソーシャルゲームを中心としたソーシャルアプリ事業のグローバル化にいち早く取り組んだディー・エヌ・エー。
特に今年に入ってからは、グローバル規模で急成長を続けているスマートフォン市場向けに対するアプローチを矢継ぎ早に展開している。
その一環として、海外向けモバイルゲームやコミュニティ機能を有するサービス「MiniNation」を軸に、iPhone/iPod touch向けのソーシャルゲームアプリを開発、提供している米「Astro Ape Studios」との資本・業務提携や、同じくソーシャルゲームアプリ開発・提供する米「Gameview Studios」を買収することで、世界市場で戦えるプラットフォームを提供する。また自社製のソーシャルゲームを他のプラットフォームや海外に積極的に展開することで、端末種や国境を超えるチャレンジ「X-device」「X-border」を続けていく。

一方、カプコンの人気ゲーム「モンスターハンター」シリーズの新作をソーシャルゲームとして配信するなど、プラットフォーム・アプリの両方でグローバルリーダーを目指している。そして先月、モバゲータウンへの「mixiチェック」の導入も発表。他プラットフォームとの連携も強めている。
今後の海外事業展開を支えていくために必要とされているのは、マーケティング能力や仮説検証能力を持つエンジニア。日本、そして海外各国のユーザー志向を分析した上で、ベストなゲームを開発できることが重要だ。

株式会社サイバーエージェント 
2012年までに「Ameba」などのサービス運営に携わるエンジニア100名超を採用予定

今年7月、コミュニケーションサービス「Ameba」の会員数が1000万人を突破した。総利用者数は約2500万人にも上るほど成長しているその原動力の一つが、昨年2月に「Ameba」に実装されたアバターコミュニティ「アメーバピグ」。仮想空間でユーザー自身が「アバター」と呼ばれるキャラクターを作り、洋服の着せ替えや他のユーザーとのリアルタイムな会話を楽しむことができる。「アメーバピグ」の利用者数は、現在400万人を超えていることからその急増ぶりが見て取れる。

これまでサイバーエージェントと言うと「インターネット広告代理事業」というイメージが強い側面があったが、現在の売上構成比の半分は「Ameba」を中心としてインターネットメディア事業によるもの。そこで今後、メディア企業としての存在感を打ち出すことで、グローバル市場を見据え、利用率ナンバーワンのWebサービスを創出していくことを目指している。
事実、今年3月からは「アメーバピグ」の海外版サービス「AmebaPico」を開始し、すでに会員数が200万人を突破、順調に成長している。一方、ベトナム最大のオンラインゲーム・SNS運営企業である「VNG Corporation」や、中国SNS向けアプリケーション開発会社「FiveMinutes,Inc」といったアジア圏の有望なネット企業に出資することで、着々とグローバル展開の足掛かりを築いている。

エンジニア採用に関しては、目標として2012年までに「Ameba」を中心とするサービスの運営に携わるインフラ、データベース、ネットワークからSE、プログラマなど様々なスキルを持つエンジニア100名超の採用を予定しているという。

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山田モーキン

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