伸びしろが大きい業界・分野はどこだ?

営業職採用は増えるか?「次世代有望キーワード」

経済情勢は着実に回復しつつあるものの、高齢化社会の進行、人口減などで、今後の国内マーケットの成長はあまり期待できそうにない。このまま営業職に就いていて大丈夫だろうかと、不安に感じている人もいるのでは?そこで、これから伸びると見込まれる産業・分野はあるのか、営業職のニーズは発生するのか…を専門家に聞いたところ、有望業界として以下の3つのキーワードが挙がった。

2010年06月30日

<ADVISER>

(株)ジェイエイシーリクルートメント
 メディカルディビジョン 医療機器チーム マネージャー/小村真達氏
 EMCディビジョン EMCチーム 人材担当コンサルタント/中里一司氏

(株)リクルートエージェント 人事・コーポレートコミュニケーション支援部
コーポレートコミュニケーション室 社外広報担当/鶴巻百合子氏

【医療・健康】高齢化社会でMR、介護施設の営業ニーズは継続的に拡大

予防医療、電子化など新テーマにも期待

高齢化社会の進行を背景に、今後も順調な拡大が見込まれるのが医療・健康分野。菅内閣の「新成長戦略」内で、「デバイス・ラグ」(日本への医薬品や医療機器のアクセスが遅れること)、「ドラッグ・ラグ」(新薬開発後、患者へ投与できるまでの行政の規制による空走時間)の解消が指摘されており、今後申請・上市スピードが向上すれば医療機器、医薬品ともさらなるマーケット拡大が見込まれる。それに伴い、営業職採用も拡大すると期待される。
「MR(医療情報担当者)、医療機器営業とも、リーマンショック後の景気低迷期にも継続的に採用需要がありました。今後は、ジェネリック(後発医薬品)の本格普及もあり、さらにニーズが高まると予想されます」(鶴巻氏)
介護分野も同様。高齢者の増加とともに、老人ホームなどの関連施設が増えれば、施設長や、自社施設を売り込む営業職の需要も着実に増えると見られる。
一方で、新しいビジネスの芽も出てきている。高齢化進行などによる患者数の増加で、受け皿となる医療機関が早晩足りなくなる恐れがあることから、「予防医学」分野が注目されている。「すでにいくつかベンチャーも出てきており、今後の有望ビジネスとして期待。予防医学の啓もう活動を行う営業職のニーズもこれから出てくると見られます」(小村氏)
また、「カルテの電子化」も緒に就いたばかりのビジネス。カルテ管理の効率化だけでなく、地域の連携が図れることから今後導入が進むと見られる。「地方自治体主導で地域の病院、診療所の連携化を進め、患者の病状に合わせて病院を割り振り、最適で効率的な治療を行うという動きが。それを実現するにはカルテの電子化による共有化が必須。病院や地方自治体に働きかける営業ニーズは今後顕在化すると見ています」(小村氏)

●どんなスキルが必要?
拡大マーケットなので、業界未経験者にも門戸が開かれている。何らかの営業経験があり、高いコミュニケーション力とフットワーク、継続学習力を持ち合わせている人であれば、専門知識は入社後に教え込むという企業は多い。最新の医療知識を日々習得し続ける覚悟が、何より必要だ。

【アジア展開】あらゆる産業が海外マーケットに活路を求めるように

ネットでの海外戦略を練られる、英語力ある営業職に強み

国内経済の大きな伸びが期待しにくい一方で、アジア、特に中国の経済成長は著しい。生き残りをかけて、アジア市場を取りにいく動きは、あらゆる業界で活発化すると見られる。現在は、製造業だけでなく、サービスや流通、金融など非製造業の進出も本格化しており、アジア展開の動きはさらに加速しそうだ。それと同時に、「ネットを使った海外販売網の構築」の動きも高まりそう。現地に人材を送り込まずともアジアのニーズを取り込む手法を取る企業も増えると見られるためだ。「業界に関係なく、マーケティング力を駆使して海外市場開拓のための戦略を練り、実行に移せる海外営業職のニーズが増加すると見られます」(鶴巻氏)

●どんなスキルが必要?
もっとも重視されるのは、英語力。「アジア圏においても、ビジネスでのやり取りは英語が大半。英語力に加えて、現地の言葉と商習慣を理解できれば、かなりの強みになります」(鶴巻氏)。「足元では英語を使う機会はないが、ゆくゆくは必要になるから…という理由で、先を見越して英語力のある人材を求める動きが出始めています。早晩、多くの業界で英語力が重視される時代がやってくるでしょう」(小村氏)。

【環境関連】エコカー普及でサプライヤーの営業ニーズ拡大

原子力プラントなどインフラ系にも期待

国内メーカーがこぞって力を入れているのが環境分野。そして、営業の雇用創出として特に期待されるのがハイブリッドカー、電気自動車といったエコカー関連だ。市場のすそ野が広いのが特徴で、エコカーの本格普及に伴い部品や素材、外装、内装、部品、ボディー、制御、二次電池などの需要増加が見込まれる。
「現在はまだ、技術者採用がメインですが、普及期に入れば自動車メーカー向けに拡販をかける営業のニーズも当然増えます。実際、外資のサプライヤーが日本での市場獲得に向けて、いち早く若手営業職の採用に動き始めています」(中里氏)
一方、原子力プラント、水処理プラントなどのインフラ系の営業ニーズ拡大にも期待。今後、海外での普及拡大が見込まれているからだ。いずれも、日本は技術力で先行しているのが強み。原子力プラントは世界的なCO2削減の動きから、水処理プラントは人口増加などによる将来的な水不足予測から、需要の拡大が予想されている。
「現在は国内でのニーズがメインですが、数年内には海外でのプラントニーズが本格化し、営業フィールドは世界各国になるでしょう」(中里氏)

●どんなスキルが必要?
エコカー関連は経験者が少ない分野。従来は業界出身者が必須だった機械メーカーや化学メーカーだが、「製造業での営業経験者であれば異業界出身者もOK」とするところが出てきた。「営業先である自動車メーカーの、技術周りの細かいニーズを拾うことが大切なので、自動車に関する基礎的な知識に加えて、コミュニケーション能力とヒアリング能力は必要です」(中里氏)。
プラントは、数十〜数百億円単位の受注になるため、営業でも高い専門知識が必要。大型設備などに関わった経験があれば、評価されるケースが多い。「5年10年スパンで、社内外のメンバーを束ねてプロジェクトを動かすことになるので、コーディネート力、調整力も重視されます。英語力も当然、あったほうがいいですね」(中里氏)

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伊藤理子

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