組み合わせによっては、複数の職種経験もプラスに!

希望の職種への転身術「キャリアコンビネーション」

キャリアにはさまざまな積み方がある。ひとつの職種でじっくりキャリアを積み重ねて、スペシャリストを目指すケースもあれば、さまざまな職種を経験することでキャリアアップできるケースもある。今回は異なる職種経験を組み合わせて、新たな職種に転換した事例を紹介しよう。

2011年1月5日

ケース1 営業職 × 経理・財務職→経営企画職
経営企画職を目指して、計画を立てて着実にキャリアアップ!

■Kさん(31歳)のキャリアコンビネーションエピソード

【営業職としての経験】
就職した企業向け人材紹介企業の営業職では、主に自動車部品・電機メーカーのクライアントに対して、必要としている職種や経験・スキルを持つ転職希望者の紹介・斡旋をしていたKさん。実際に自分が紹介した転職希望者が紹介先企業に転職し、現場の第一線で活躍している話を耳にしたり、クライアントに感謝された時は非常に大きなやりがいを感じたという。
しかし必要とする人材について経営者の方たちと話す中で、経営の参謀役として、経営者をサポートできないかと考えるようになった。そこで浮かんできたのは「経営企画職」というポジション。経営者視点に立って今後の経営プランの企画や提案していく経営企画こそ、自分が求めているものだと確信した。
 
【経理・財務にキャリアチェンジ】
しかしこれまでの営業としてのキャリアだけでは、すんなりの経営企画職にキャリアチェンジすることは難しいと考えたKさん。自分に足りないものは何かを考えた結果、「数字を読み・分析する力」だと気付いた。そこでまず23歳の時、独学で簿記の勉強を始め、簿記2級を取得。25歳のときには第二新卒&未経験募集をしていた、ある大手電機メーカーの経理職に転職。伝票処理、日次・月次処理などを経験するうちに、徐々に売り上げやコストの分析ができるようになった。またその3年後に財務職へ異動。財務政策の企画、立案や、銀行の融資担当者との折衝をはじめ、財務諸表や有価証券報告書のチェック等を経験し、着実にキャリアを積んでいった。
30歳の時に、これまでの経験(営業職+経理・財務職)を活かして、自社の経営企画職を担うことになった。

■経営企画職でどのように活かせるか?

経営企画では、社長をはじめ経営陣、また事業部の担当者から今後の経営ビジョンや要望を細かくヒアリングした上で、今後の事業の方向性を検討、明確なビジョンをわかりやすく整理することが求められます。経理・財務職で培った「数字を読み・分析する力」を発揮することで、精度の高い情報から仮説を導き出し、今後の事業方向性を明確に打ち出すことができます。
また営業職で培った「プレゼンテーション能力」を発揮することで、経営陣にわかりやすく説明することができ、今後の事業の方向性を理解・納得してもらうことができます。
 
 
営業職のキャリアコンビネーションポイント
営業職、特に法人への企画営業、提案営業は一般的に、BtoBのスキルを養うと同時に、顧客にロジカルに説明し、納得感を与えることで商談を成立させる力を鍛えてくれます。「論理的思考能力」や「ビジネス・コミュニケーション力」はすべての仕事の基本ですから、営業経験を土台にさまざまな職種経験を組み合わせることで、キャリアの可能性は大きく広がります。

ケース2 SE × 営業職→セールスエンジニア
一度は断念したSEのキャリアを活かして、理想の職種にキャリアアップ!

■Oさん(30歳)のキャリアコンビネーションエピソード

 【SEとしての経験】
大学では情報工学を専攻していたOさんは就職先として、大学で学んだプログラミングスキルを活かせるソフトハウスに、SEとして就職した。それ以来、主に金融系の業務用システムの開発を担当。設計〜テスト〜リリース〜運用領域全般を担当することで着々とキャリアアップし、入社4年目の26歳の時には10人規模の開発スタッフをまとめるプロジェクトリーダーに昇進した。しかし開発業務は多忙を極め、体調を崩してしまう。そして1年間ほど休職することに。
一度は復帰したものの、SEとして仕事を続けていくには精神的・体力的にも限界を感じたOさんは退職してSEとは全く違う、自動車部品メーカーの営業職への転職を図った。
 
【営業職にキャリアチェンジ】
なれない仕事で苦労しつつも、SE時代には経験できなかったお客様とのコミュニケーションの積み重ねで、ベストな商品やシステムを提案できる仕事のやりがいを感じることができた。
営業職について2年後の29歳のころ、よりお客様の役に立つ存在になりたいと考えたOさんは、今まで培ってきたSEの知識も活かせる「セールスエンジニア」を目指す決意をした。SEとして、ある金融機関向けの資金管理システムの開発を担当していた時に、開発側とお客様との間に立つセールスエンジニアに開発側の提案をお客様に理解していただくためのスムーズな橋渡しをしてもらったことが強く印象に残っており、セールスエンジニアというポジションに興味を持っていたのだ。Oさんはこれまでの経験を活かして、主に金融機関向けに自社開発のセキュリティソフトを販売する大手外資系ソフトウェア企業のセールスエンジニアへの転職に成功した。

■セールスエンジニアとしてどのように活かせるか?

 セールスエンジニアとして活躍するためには、まず自社で取扱う製品やサービスに対する専門的な知識が必要不可欠。プログラミングスキルや、業務知識等は、必ず活かすことができます。その上で、お客様に対してどういう形で利用してもらうのがベストなのかを提案する能力が問われます。
SEで培った「技術領域に関する専門的な知識・スキル」に加え、営業職で培った「技術的要望をヒアリングする力」や、「交渉能力」を組みわせることで、より顧客の要望に即した最適な提案を行うことができるようになります。
 
 
SE・技術職のキャリアコンビネーションポイント
マーケティングやセールスエンジニアなどは、製品やサービスについての十分な理解が必要。そういった職種でIT機器、特に最先端の技術を扱う場合、技術職としての経験や知識が役立ちます。加えて営業職をはじめとした対人折衝のある職種で「交渉能力」を身につければ、市場価値は非常に高くなるはずです。

そのほかにも、こんなキャリアコンビネーションも

営業 × リサーチャー→広報
意外に思うかもしれないが、特に社外広報では交渉力が非常に重要。自社ブランドを効果的にアピールできるメディアの選定に「リサーチ能力」が、そこに自社ブランドを売り込んで採用してもらうために「交渉力」が必要だ。

営業 × 店長→フランチャイズ系スーパーバイザー
営業では工数管理や数字管理を学べるし、店長は店舗の状況を把握しながらマネジメントをとる経験が積める。スーパーバイザーには「数的理解力」と、「現場の実情を理解して改善策を提案する力」が求められる。

企画営業 × 人事→キャリアカウンセラー
最近の人材コンサルティング会社は、社員のモチベーションアップ法など、提案志向の強いところが多い。そのため、「人事業務に精通している」だけでは通用せず、「企画力」、「提案力」が必要。

SE × 法務→特許技術者
特許技術者には、ある技術が「特許に値するかどうか」を評価するための知識が必要。「技術的なバックグラウンド」を持っていることは必須で、そこにさらに法的な知識を身につけるというパターンが一般的。

SE × 営業→セールスプロモーション
最近ではWebのシステムが絡んでくる宣伝手法が多い。そのため、「Web開発経験」を持っていることは強みとなる。さらに「対人折衝能力」や「人を動かす力」を身につけているとセールスプロモーションで活かすことができる。

自分の今後のキャリアが明確な人も、そうでない人も。
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